レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

必殺ドラゴン鉄の爪

2025年01月27日 20時10分07秒 | 功夫/空手/武侠片

「必殺ドラゴン鉄の爪」
原題:生龍活虎小英雄/Little Superman
1972年 香港 96分
■監督:
 吳思遠(ウー・シーユェン)
■出演:
 梁小龍(ブルース・リャン)
 黄元申(ウォン・ヤンスン)
 胡錦(フー・チン)
 南宮勳(ジェームス・ナム)
 韓國材(ハン・クォツァイ)
 孟海(マン・ホイ)
 吳明才(ウ・ミンサイ)

●あらすじ
一九四一年、某国の機密軍用機が広東から海南島に向う途中、突然の事故でチュンシャン町に不時着した。
中国ゲリラは絶好のチャンスとばかり、その軍用機を攻撃、
指揮官の海軍大将を殺害して重要な上海香港占領計画書を奪いとった。
そしてこの機密書類をマカオ、香港経由で、中国の首部上海の指令部へ届けようと企てた。
香港に活動拠点をおく中国軍の秘密探偵ウォン・チン(W・Y・シャン)は、
四人の部下を使ってこの某国軍の機密書類をマカオから香港まで無事届ける任務をまかされ、全責任をおうことになった。
某国軍のキノ中佐との間に激しい戦いが展開されたが、キノ中佐とその多勢の軍陸に包囲され、絶体絶命のピンチを迎えた。
だが、一瞬のスキに乗じたウォン・チンの部下プリンス・サムが巧みに逃亡、すべてのいきさつを指導者パオ・タイに告げた。
パオは敵軍のリーダー、キノを殺すべく厳重な非常警戒を突破してキノの邸宅に侵入、不意を衝いて襲撃した。
パオとキノの一騎射ち、鮮血が飛散し、一瞬のうち逆転する優勢と劣勢。
だが相討ちとなり双方、血だるまとなって死んでいった。
かくして某国軍上海占領計画機密書類はウォン・チンの手によって香港に届けられようとしていた。
(KunGFuTuBEより)

★感想など
これまた「ドラゴン大全科」で紹介されていて、観たかった作品の一つ。
梁小龍(ブルース・リャン)の初主演作で武術指導も兼ねているが、軽く衝撃の作品だった。
それは1972年ですでに後のハイ・スパート・クンフーと全く同じアクションをしているからだ。
相手の頭より高く上がる廻し蹴り×三連発とか、走って功夫してまた走ってとか
助走をつけての飛び蹴りは、打点が相手の頭上より高いとか、まんまハイ・スパート・クンフー!
確かに「帰ってきたドラゴン」とかでは、倉田保昭と言う好敵手を得て本来の力を得たのは分かるが
相手に自分と同等の力がなくても、ハイ・スパート・クンフーをやっているのは素直に凄いなと思う。
さらにまだまだ子供の感じな韓國材(ハン・クォツァイ)や孟海(マン・ホイ)が
京劇出身のアクロバットな動きで魅せてくれるのも嬉しい。
またジャッキーたちの兄弟子である吳明才(ウ・ミンサイ)も、滅多に見たことないので貴重だし。
これは功夫映画としてかなりのポテンシャルを持った傑作だ!
惜しむらくは戦いのシーンが過激過ぎとの事で、1972年に香港で公開されなかった事。
香港で公開されたのは1975年の12月10日で、興行成績も年間162位と悪かったが
これブルース・リーが生きていた時の1972年に公開していたら、一体観客の反応はどうだったのかが凄く気になる。
そしてもしこの映画をブルース・リーが観ていたなら。
きっとブルース・リーはブルース・リャンをスカウトしたんじゃないかなあ。
それ程の可能性をたっぷりと秘めた作品であった。
ヒットしなかったのは、ブルース・リーの死後は功夫映画がヒットしなくなったからで
決してこの映画のせいではないからね。
そう考えると時代が悪かったとしか言えなかっただけだね。
でも功夫映画が好きな人には文句なくオススメの傑作である。
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空飛ぶ十字剣

2025年01月27日 20時09分35秒 | 功夫/空手/武侠片

「空飛ぶ十字剣」
原題:千刀萬里追/DYNASTY
1977年 台湾 96分
■監督:
 張美君(チャン・メイチュン)
■出演:
 譚道良(タン・トゥリャン)
 白鷹(パイ・イン)
 唐威(タン・ウェイ)
 金剛(カム・カン)
 李文泰(リー・マンチン)

●あらすじ
3D映画というのは映画史的に見て、何度かブームを起こしているが、
これはそういったブームの狭間に突如出現した台湾製クンフー・アクション。
時は明王朝末期、暴君に師匠を殺された弟子の復讐を描くが、
この際ストーリーはどうでもよく、評価は、いかに立体効果が発揮されたアクション・シーンが
堪能できるかにかかってくる。
そういった意味では、肉体アクションだけに終始せず、
様々な形状をした武器を続々と登場させて生み出した、画面の手前に突き出される立体効果は、
なかなか工夫を凝らしていると言えよう。
特に、クロス状の鎖帷子を気合い一閃振り回して変身させる"空飛ぶ十字剣"は効果・威力ともに壮絶。
(Amazon Prime Videoより)

★感想など
これは昔から観たかった作品なんだよねえ。
何せ私のレレレ人生の起点となった「ドラゴン大全科」で紹介されていた映画であり
そこに紹介されている写真を何度眺めながら実際の映画を観たいと思っていたことか。
さてそんな長年の夢を叶えた鑑賞後の感想と言えば、まずタイトルにもある"空飛ぶ十字剣"が
主人公側の武器ではなくて、悪の大ボスが使用している事に驚いた。
てっきりサモ・ハンの「燃えよデブゴン カエル拳対カニ拳」で登場した、
無敵の銀チョッキみたいな感じだと思っていたからね。
ストーリーの方はこれ以上なくいらいに単純なんだけど、1970年代の台湾映画ってほとんどそんな風である。
代わりに功夫シーンを一杯入れるのが特徴で、観客が若い時分には丁度良い作り方だと思う。
全体的に主役の譚道良(タン・トゥリャン)よりも、悪役の金剛(カム・カン)の方が印象に残ったり
肝心の"空飛ぶ十字剣"がラストまで全く登場しないとか色々あるが
当時の香港功夫映画の中でも異色作なのは間違いない本作。
好きな人にはオススメですぞ。
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少林寺英雄伝

2024年12月23日 20時11分11秒 | 功夫/空手/武侠片

「少林寺英雄伝」
原題:少林英雄榜/Shaolin Abbot
1979年 香港 79分
■監督:
 何夢華(ホー・メンホワ)
■出演:
 姜大衛(デビッド・チャン)
 羅烈(ロー・リエ)
 井淼(チェン・ミュウ)
 李麗麗(リリー・リー)
 徐少強(チョイ・シウキョン)

●あらすじ
姜大衛 (デビッド・チャン)、羅烈 (ロー・リエ)主演の1979年作品。
清朝の暴政に立ち向かった少林寺の僧・善禅師の活躍を描く。
監督は、「血滴子」「北京原人の逆襲(猩猩王)」などで知られる何夢華(ホー・メンホワ)。
共演は「妖刀・斬首剣 (生死決)」の徐少強(チョイ・シウキョン)、
「ヤング・マスター 師弟出馬」の李麗麗(リー・ライライ)ほか。
「反清復明」を目指す少林寺は、武器の保有を禁じられていたため己の肉体のみを駆使した武術の修得を図る。
そんな中、清朝の軍隊が襲撃したのを皮切りに、英雄たちの闘いが始まる。
少林寺最高師範・至善禅師を描いた作品は珍しく、あらゆる少林寺映画の基本と言うべき傑作!!
(KunGFuTuBEより)

★感想など
姜大衛が珍しく少林寺の僧侶役を演じている。
羅烈の方は、最早当たり役とも言える白眉道人。
至善禅師と言うのは初めて聞いたのだが、時代的に白眉道人とかと被っているのだろうか?
洪熙官も出てきて至善禅師の弟子になる展開もあり、お馴染みのメンバーと絡んでいるのでこちらの知識不足のようだ。
ショウブラ作品としては上映時間が短いのが珍しい。
内容の方はオーソドックスな少林寺ものであり、いつもの屋外・屋内のセット撮影のみならず
雄大な外でのロケもあるのを見ると、いつものショウブラ作品とはちょっと違うなと感じる。
と言っても1979年でこの内容では観客に受けなかったのか、興行成績を見るとヒットはしなかったようだ。
まあこの時代は完全に成龍(ジャッキー・チェン)のコメディ功夫映画が主流になっていたからねえ。
でもいつものショウブラ作品なところは、逆に安心の出来栄えとも言えるので、
ショウブラの功夫映画が好きな人なら、全く問題なく楽しめるであろう。
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刑事物語5 やまびこの詩

2024年12月03日 20時53分16秒 | 功夫/空手/武侠片

「刑事物語5 やまびこの詩」
1987年 日本 99分
■監督:
 杉村六郎
■出演:
 武田鉄矢
 賀来千香子
 鈴木保奈美
 井川比佐志
 江夏豊
 小林桂樹

●あらすじ
群馬県沼田市。
片山刑事は、牛乳配達の少女が農薬入りの牛乳を飲んで重体に陥った事件を担当することになった。
片山は犯人の標的が、配達先のアパートに暮らす若い女性、直子と真子の姉妹のいずれかだったと確信。
だが張り込み中、痴漢と誤解された彼は留置場に入れられ、
代わりに張り込んだ同僚が不審者を追う中で命を落としてしまう。
怒りと後悔から、片山は何かを知るはずの直子を職場のナイトクラブで問い詰めるのだが……。
(WOWOWオンラインより)

★感想など
シリーズ最終作。
だが今までと違って、いささかパワーダウンしている感が否めない。
前半のギャグパートはすべっているし、功夫アクションも全体的に不格好で武術指導が悪い。
あとストーリーの核が分かり辛いのに、いつものハードさだけ入れようとしているので、全体的にバランスが悪い。
いつものハンガーヌンチャクも、今回は3つ繋げてハンガー三節棍にするアイデアとかは好きなんだけどねえ。
そして代わりに大量に投入されているのがエアロビのシーンで、特に鈴木保奈美はやたらに踊っている。
舞台となる町も普通の地味な田舎町のため、風景的にも見映えが良くないように撮影されているので、とにかく地味。
もっと何もないけど平和な良い街ですよ的な描写をしていれば、まだ少しは違ったと思うんだけどね。
でもまあこのシリーズは、日本でも功夫映画を作った記念すべきシリーズであり
さらに武器としてハンガーを使うなど、随所に独自のアイデアも盛り込まれた素晴らしい作品。
吉田拓郎の名主題歌と共に、心に刻むべきシリーズと言えるであろう。
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ライド・オン

2024年11月05日 19時55分30秒 | 功夫/空手/武侠片

「ライド・オン」
原題:龍馬精神/RIDE ON
2023年 中国 126分
■監督:
 楊子(ラリー・ヤン)
■出演:
 成龍(ジャッキー・チェン)
 劉浩存(リウ・ハオツン)
 郭麒麟(グオ・チーリン)
 于榮光(ユー・ロングァン)
 安志杰(アンディ・オン)
 呉京(ウー・ジン)

●あらすじ
伝説的アクションスター、ジャッキー・チェンがスタントマンを演じたアクション。
かつて香港映画界で伝説のスタントマンと言われたルオ。
現在は借金を抱え、地味な仕事をしながら借金返済に励む彼は債務トラブルをきっかけに愛馬を手放すことになり…。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
ジャッキー・チェンの集大成みたいな感じに宣伝されていましたが。。。
正直に言うと、映画としては粗が目だち過ぎてツッコミところが多く、イマイチな脚本だった。
良いところは、昔からのジャッキー映画を線で結んでここに来た風な、ノスタルジーを感じられるところかなあ。
まず悪いところから行こうか。
ステーマはバラバラだった家族の再生なのかな?
長い間スタント一筋で家族を顧みなかったジャッキーと、母親の葬式の時に父親を切り捨てた娘が軸なのだが
まずこの娘役の女優さんは、超絶に可愛い!
だが二人が久々に邂逅するシーンは勿論、最悪で修復不可能なくらいに関係は悪化している。
しかしこの後二人は段々と距離が近くなっていくのだが、そのキッカケとなる描写が無かった。
なので何であれだけ父親を嫌っていた娘が、段々許すようになっていったのかが全然分からないのだ。
こういったのは他にもあって、娘の彼氏が、何で初対面からあんなにジャッキーにビビってるのかとか
ホー総裁が何で脚の悪い馬を欲しがっているのかとか、とにかく細かいところがおざなりで気になる。
肝心要のジャッキーの役にしても、昔は良かったではなく、現在の状況を認識して自分を変える事ができず
過去に世話をした人に対してイバリ散らし、さらにスターになったかつての弟子が自分に紹介してくれた仕事すらも
監督の言うことを聞かないで、勝手にスタントをやろうとする始末。
あれ現場の言う事聞かないで買ってにやって、自分が怪我したり相手に怪我させたりとかしたらどうなるのか
等と言った事は一切考えられないんだろうなと思った。
一言でいうとまさに『老害』と言われてもしょうがないようなダメキャラなんだよね。
とまあ映画としてはこんな感じだが、あとは良いところか。
まあ昔のジャッキー映画へのオマージュなどが沢山散りばめられているところか。
壁に貼ってある写真の一枚が、さりげなく「クレージーモンキー・笑拳」だったり
1980年代と90年代の数々のスタント・シーン及びNGシーンを見せてくれるところとか
ジャッキーが撮影している映画のタイトルが「新・警察故事」だったりとかかなあ。
昔からジャッキーの映画を観てきて、懐かしいなあと思える人は楽しめる作品。
と言うか最近のジャッキー映画自体が、すでにもうそんな感じなのかな?
あとは馬の演技が超絶凄かった事を、付け加えておこう。
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