「ヘルレイザー ヘル・ワールド」
原題:HELLRAISER: HELLWORLD
2005年 アメリカ 95分
■監督:
リック・ボータ
■出演:
ランス・ヘンリクセン
ダグ・ブラッドレイ
カリー・ペイトン
ヘンリー・カヴィル
●あらすじ
クライヴ・バーカーの原作を元にした傑作ホラーシリーズ第8弾。
大学に通うチェルシーとその友人たちは、恐怖が売りのWEBゲーム“HELLWORLD”に熱中していた。
サイトが主催する恐怖体験パーティに招待された彼女たちは、想像を絶する恐怖に遭遇する。
(TSUTAYA DISCASより)
★感想など
全然気付いていなかったんだけど、ここ最近の監督って同じだったんだね。
リック・ボータと言う人は、シリーズ第6弾から第8弾まで3作続けて監督していた。
第6弾も雰囲気は良かったんだけど、前作の第7弾は退廃的な雰囲気が凄い良かった。
それでいて本作は全体的な雰囲気の良さはそのままに、脚本が急に現代的にバージョンアップ。
今までとは世界観が違っていて、本作ではインターネットを通じて世界中の若者が以下の情報を共有している。
・パズルボックスを開くと魔道士が現れる
・魔道士のメインであるピンヘッドの事を、名前含めて知っている
・魔道士の親玉がリバイアサンであることを知っている
・これらを総称して「ヘルレイザー」と呼んでいる
ようは我々が映画を観て知っている情報を、映画世界の住人も知っている。
そんなベースがある中でパズルボックスを開けるのはテレビゲーム。
そのゲーム内でガチャのようにパズルボックスを開けられた人には招待状の画面が表示され
その画面を印刷して持参すると、リバイアサンの館と言うところに行く事ができる。
こう聞くとまるでオフ会だが、そのオフ会のホストがランス・ヘンリクセンと言うのがまたシビれる。
この館の中で繰り広げられる乱痴気騒ぎは、前作の地下鉄ギャングの雰囲気を拡大したかのような怪しさが素晴らしい。
またこの監督は適度と言う言葉を超えてとにかく女性の裸を出すのが好きで、
館内のパーティの様相は、正にSEX&ドラッグ&ロックンロールと言った感じなのが実に良い。
この監督が描く全体的な画作りの雰囲気とか、SEX&ドラッグ&ロックンロールな描写とか
結構1970年代~1980年代ぽい感じがするのだが、それが古臭くなく、現代的にアップデートされているので
オーソドックスながら古臭くないので、非常に心地良いホラー映画な感じがするのだ。
ちょっとこの監督の他の作品も追っかけてみようかな。
さて今までと手法を変えて現代的なコンテンツを交えて内容を新たに作りかえるのは
同じく長寿シリーズである「ハロウィン レザレクション(2002)」を想起させる。
だが本作は内容を変えすぎて失敗しているところもあり、ピンヘッドが鎖の拷問をせずに
ただ鉈を振るって首を切り落とすなど、まるでジェイソンかマイケル・マイヤーズかみたいな
凡百な殺人鬼のような殺し方をしちゃうのは、ちょっと頂けなかった。
また本作のオチにも激怒しているレビューも多数散見された。
あれは許せないと言った声も多かったけど、私的には別にそこまで気にならなかったけどなあ。
そういった賛否両論のオチについては、気が向いたら是非ご自身で確認してみてください。