レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

バスケット・ケース

2024年04月15日 21時25分59秒 | ホラー

「バスケット・ケース」
原題:BASKET CASE
1982年 アメリカ 93分
■監督:
 フランク・ヘネンロッター
■出演:
 ケヴィン・ヴァン・ヘンテンリック
 テリー・スーザン・スミス
 ビヴァリー・ボナー
 ダイアナ・ブラウン

●あらすじ
切り離されたシャム双生児の兄をバスケット・ケースの中にしのばせる青年。
異様な兄弟の絆と悲劇を描くカルト・ホラーの傑作。
アメリカではミッドナイト・ムービーとしてロング・ランを記録した。
全編を通しての異様なムードにチープな作りがマッチしたインディペンデント作品で、
未見のホラー・ファンは必見である。
特に自らの性的欲望をはたせない兄の絶叫はゾッとするものがある。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
とうとうと言うか、やっと観たフランク・ヘネンロッター作品。
私自身のレレレ創世記の時に読んだホラー/ファンタの本に掲載されていた彼のインタビュー。
それを読んだ時から気にはなっていたが、そうじゃなくても本作はカルト作として一定の人気があった作品である。
元精神科医と言う経歴を踏まえても、発想と言うか視点が独特だ。
双生児の悪夢と言えば、デヴィッド・クローネンバーグ監督の「戦慄の絆」(1988年)が有名だが
こちらはシャム双生児を扱っており、さらに不思議な体験をする事ができる快作だ。
極低予算ゆえの全編オールロケによる撮影は、逆にリアルな描写に映り、
ドキュメンタリー風にも見えると言う良効果を生んでいる。
あと兄のベリアルの姿がかなり特徴的で、顔と両手だけと言う姿は、かなりのインパクトを誇る。
基本は上手くマペットのように撮影しているが、時にはモデルアニメで撮影しているシーンもあり
古き良き特撮映画のようで、それも大変嬉しくなってしまう。
ヘネさんの監督作は決して多くないのだが、他の映画にも興味を持てる内容であった。
これなら次の作品も楽しみだな。
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ゴジラ

2024年04月11日 18時25分37秒 | 怪獣/モンスター

「ゴジラ」
1954年 日本 97分
■監督:
 本多猪四郎
■出演:
 志村喬
 河内桃子
 宝田明
 平田昭彦

●あらすじ
言わずと知れた「ゴジラ」シリーズ第1作にして、日本特撮映画の原点である大傑作。
巨大生物・ゴジラが突如現れ、東京中を破壊し始めた。
政府はゴジラを倒すため、核兵器以上の威力を持つ破壊兵器を開発した芹沢博士を頼る。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
ちょっと時間が経ってしまったが、「ゴジラ-1.0」がアカデミー賞を受賞したニュースが流れていた時に
思い出したのは本作であった。
昭和のゴジラシリーズも随分昔に観たけど、細かい内容とかは当然忘れている。
同じような感じでさらに内容忘れている、平成のVSシリーズもまた観始めているが、
昭和ゴジラシリーズもいつか観直そうかなと思っていたので、改めて観る事とした。
まずドラマ部分はシンプルながらも面白い。
政府側の対応が中心に描かれているシーンなどは、のちの「シン・ゴジラ」に先んじていると言えよう。
中盤からは山根博士、芹沢博士と、山根博士の娘と、その娘に恋するサルベージ会社の男の四人が中心になる。
面白いのがこの四人のキャラがカッチリ固まっていて、キャラがブレる事なくぶつかりあうこと。
ゴジラが東京を襲撃し大変な状態になっている時に、みんなでゴジラをいかに倒すかを話し合っている最中に
山根博士はゴジラは貴重生物だ、殺すべきではないの一点張りなうえに、自分の意見を否定されるとキレたりする始末。
もう一人の博士である芹沢博士は、ゴジラを倒せる兵器を開発するものの、その後の悪用を恐れて封印しようとする。
基本的にこの両博士は、現実に起こっている事態よりも、研究者である自分の考えを優先する根っからの博士として描かれている。
良くも悪くもそんな自分のポリシーに従っている強い個性の二人に比べて、若い二人はちょっと辛い。
山根博士の娘は、幼い頃から兄のような関係である芹沢博士と結婚するように父親から言われているが
サルベージ会社の男とこっそり付き合っており、その事をいつ山根博士と芹沢博士に言おうか悩んでいる。
しかし世間はゴジラ対策をどうするかになってしまっているのに、若い二人は自分たちの恋愛話で悩んでおり
今はそんな場合じゃないだろうと、ツッコミを入れたくなってしまう。
さらにそれに拍車をかけるのが、振られる側になる芹沢博士の方は、山根博士の娘に対してそういった感情は一切なく
彼の頭の中はオキシジェン・デストロイヤーの研究で頭が一杯になっているように見えるのだ。
この描写だと芹沢博士は娘から「結婚は破棄して、他の男と結婚する」と告げられても
「あっそう」の一言で終わってしまいそうな雰囲気なので、余計に今そうじゃないだろ感を強く感じる。
ただ一つ言えるのは、山根博士の娘役である河内桃子さん。彼女は破格の美しさである。
あと驚いたのは音楽で、ゴジラのテーマはともかく、あの「怪獣大戦争マーチ」もすでに使われていたのには驚いた。
他にはゴジラの造形だが、顔の作りが凄く愛嬌があるね。
平成VSシリーズの頃の精悍な顔つきも好きだけど、初代のちょっと崩れた顔も個性的で良いね。
総評として昭和29年制作の映画だが、今観ても抜群に面白いと言える。流石元祖にしてオリジナル。
だがこの映画を製作開始した頃だが、戦後数年しか経っておらず、日本が復興に向けて頑張っている時に
再度日本を破壊するような映画を作ろうと言うところは、現代の感覚では理解するのは難しいかも。
この辺の製作経緯については、もう少し深堀りしてみようかな。
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スペクターX

2024年04月03日 09時04分10秒 | アクション

「スペクターX」
原題:最佳拍档之千里救差婆/ACES GO PLACES IV
1986年 香港 88分
■監督:
 林嶺東(リンゴ・ラム)
■出演:
 許冠傑(サミュエル・ホイ)
 麥嘉(カール・マッカ)
 張艾嘉(シルヴィア・チャン)
 葉倩文(サリー・イップ)
 石堅(シー・キエン)
 關德興(クワン・タッヒン)
 曹達華(チョウ・ダッワー)
 喬宏(ロイ・チャオ)

●あらすじ
超能力開発装置の鍵となる”プリズム”を香港に持ち帰ったキングコング(サミュエル・ホイ)は
テロリストに追われる羽目となり、ホー(シルビア・チャン)は人質となってしまう。
キングコングは彼女を助けるべくコージャック(カール・マッカ)らと共にニュージーランドへ向かうのだが…。
(KunGFuTuBEより)

★感想など
完全に邦題から「悪漢探偵」が消え、むしろジャッキー・チェンの「スパルタンX」とか「プロジェクトA」などの
系列と思わせようとしたのではないかと疑ってしまうようなタイトルにされてしまった。
この第4作は年間興行収入が初めてシリーズ作の中で1位を取れず、3位になってしまうが
それでも年間第3位なので大ヒットはしている。
ちなみにこの年の1位は、あの「男たちの挽歌」
こちらも本作と同じ新藝城(シネマシティ)なので、まさに当時の香港映画界の中心に居たのは間違いない。
本作の監督も当時注目を集め始めていた林嶺東(リンゴ・ラム)なので、本作に対する期待値は高かったが、ちょっと違ったかな。
まず内容がやたらハードで、マシンガンを連射して敵を射殺しまくるシーンに、凄い違和感を覚える。
このシリーズって敵をそんなに殺すシーンあったっけ?
他にもこのシリーズ特有のコメディ要素が少し弱かったかな。
ただその分アクション面が尋常じゃない事になっていて、
普段アクションを売りにしている訳ではないサミュエル・ホイも、結構なアクションをこなしてくれる。
シネマシティの映画ではあえてやらない功夫っぽいアクションも入れてきたりとか、ジャッキー映画みたいなカースタントとか。
しかし何気ない動きなのにちょっと驚いたのが、サミュエルが敵から逃げるシーンで柵にぴょんと飛び乗ったシーン。
その柵も自分の腰くらいの高さはあるので、身軽だなあと思った。
この辺は流石香港映画の俳優と言ったところで、当時の香港映画の俳優のインタビューを読むと
階段や二階くらいの高さから落ちる程度の事であれば、スタントマンを使わないで自分でやるのが当たり前。
と男優も女優もみな同じように考えている世界に驚いたのと同時に、だからあれだけの映画が出来るのかとも感じた。
さらにこの頃の香港映画。具体的に言うと1980年代後半のアクション・スタントは尋常じゃないレベルに進んでいく。
「群狼大戦」に代表されるように、ほぼ命がけのスタントを連発していくが、本作でも似たような事になっており
主役の一人である麥嘉(カール・マッカ)の下半身を火だるまにするシーンもかなりヤバく
どう考えてもガソリン掛け過ぎだろな炎の量に驚くが、下半身をそこまで燃やすのに対し、上半身がノースリーブの服一枚なんだが!
耐火スーツ? そんなもん燃やす下半身だけでいいだろ。
的なアバウト発想が恐ろし過ぎる。
さらに恐ろしいのが、5歳の子役をビルから宙づりにすること。
ただそのビルって、恐らく20階より高そうに見えるが、その高さを屋上から片足だけロープで縛って逆さに落としていくと言う
命軽視な超恐怖なスタントまで行う。
なんだか何の映画を紹介しているのだか分からなくなってきたが、とりあえずあの頃のヤバい香港映画に
触れる事ができる作品だよって事で。
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