雑感日記

思ったこと、感じたことを、想い出を交えて書きたいと思います。

ジェットスキー世界戦略 昔話ー24

2007-01-27 06:30:42 | ジェットスキー&KAZE
「ジェットスキー世界戦略」


アメリカ以外の日本、ヨーロッパなど世界にジェットスキーを広めようと世界展開を企図した。
1960年8月オーストラリアから帰任した鶴谷将俊君が藤元、福井君らと共に専任でこのプロジェクトの展開にあたってくれた。
当時日本ではJSに関して殆ど素人ばかりで、全くの白紙から市場開拓をスタートさせたのである。

国内は、いち早くJSの輸入販売のあった西武自動車とカワサキ側は苧野豊秋さん、藤田孝明君らの努力で台数は少ないながらも格好は付きつつあった。


問題はヨーロッパで、果たしてどのように受け容れられるのか、夫々の国の反応もさまざまで、藤元君がスペインに駐在して市場調査から始めた。

9月末にドイツのボーデン湖畔で行われたボートショウに出品すると同時に、アメリカからライダーを招いて、デモンストレーションも行った。

このショウと地中海沿岸での市場調査のために、鶴谷君と共に出張したのだが大変な旅であった。

9月26日から10月9日まで。
フランクフルトからボーデン湖の会場、そこからはレンタカーを借りてフェリーに乗ってスイス、チューリッヒへ、この辺りに来ると英語は通じない。駐車場に入れるのも昼飯を食うのも大変だった。

それから空路スペインのマドリッド。更にジブラルタル海峡の直ぐ近くの有名な避暑地マラガへ。ここからは商品企画の連中もジョインしたが、スペイン語はさっぱり解らず、藤元君頼りで切り抜けた。

然し言葉は理解出来なくても、自分の目で見て確かめるということは、マーケッテングの基本である。何とかなるという確かな感触だけはつかめた。

ヨーロッパの人たちのバカンスとはどのようなものか。こんな雰囲気は体験しないと本当のところは解らない。
ペアが常識の華やかな避暑地で、男ばかりの東洋人のグループは異様な光景に移ったことだろう。

ロンドンに戻って、街の標識が読め英語が聞けて、キザなようだが本当にほっとした。

その後、また言葉の解らぬフランスが最後だったが、イギリスとフランスはいずれも現地のM/C販売会社があったので、特に困ったりはしなかった。


鶴谷君と気安く言っているが、今、彼は川重商事の現役社長である。
イラン、オーストラリア、日本、アメリカ、ヨーロッパと現地末端での体験、経営経験も長く、市場を見る目も確かなカワサキでも屈指のマーケッテングマンである。

そんな彼にとっても、この2週間は想い出に残る貴重な体験だったと思うのである。
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