あまりに売れすぎると自分を見失ってしまう。
ダイヤー・ストレイツという大ヒットしたバンドの看板を背負っていると、アルバムを出すたびに大きな期待に答えなければならないプレッシャーが付きまとう。
1993年にライブ・アルバムを出した後ひっそりとバンドを解散。
ダイヤー・ストレイツの存在があまりにも大きくなりすぎて、早く現実というか等身大の世界に戻らないとプレッシャーに押しつぶされてしまう。
1994年からリハビリ期間とでも呼んでいい2年の歳月をかけてソロ・アルバムの制作をスタート。
これが1996年に出たマーク・ノップラー名義のソロ・アルバム、Golden Heart。
辛口レビューワーにとっては、ダイヤー・ストレイツ時代のSultans Of Swingで披露したギンギンのギターもないし、Money For Nothingのようなキャッチーなヒット・ソングもなく物足りないかもしれない。
確かに緩いような...
しかしながら何度も聴くうちに派手さは無いものの、ゆったりとした気分に浸れる。
(柔和な顔は遂に悟りの境地にたどり着いたのか?)
マークだけでなく、リスナーにもリハビリの気分を味わせてくれる癒やしのアルバムではないかと…
長い人生、毎日走り続けなくとも双六のように一回休みがあったっていいじゃない。