1975年に河島英五とホモ・サピエンス名義でメジャー・デビューしたときのアルバム、人類。
当時の記憶は定かではないが、確か私の兄が友人からが貸してもらったのがこのレコード。
その頃 ロックばっかり聴いていて和モノはほとんど聴かなかったし、興味もあまりなかったのだがこのアルバムの曲に関しては何となく断片的に記憶している。
(懐かしいベルボトム・ジーンズ)
(これまた懐かしい!フレヤーのパンツに厚底のシューズ。河島英五は確か背丈が180センチ以上あったから、この手の厚底シューズを履くと巨人に見えたのではないか?)
特に“何かいいことないかな”、“てんびんばかり”それに“さよなら”のこれら3曲のメロディーだけは歌えなくとも未だに覚えている。反対に酒と泪と男と女という大ヒット曲が収録されていたのにも関わらず、この曲はお酒のコマーシャルの印象が強い。
若干23歳だった河島英五が同世代もしくはそれよりも下の世代の若者の心の中を代弁しているかのようで、独特の歌い回しで且つ力技で押さえつけるような歌唱が当時新鮮だった。
あれからちょうど45年、今再びこのアルバムを手に取り聴いてみて、改めて非常に示唆の富む内容だと思った次第。
例えば、人生の後半に当たるこの歳になると、もちろん正確には分かりはしないものの、この先人生どう転ぶかある程度見えてくるわけだが、“何かいいことないかな”の歌詞の通り不思議なことに未だに何かいいことないかと何かを探している自分がいる。
大きい小さいは別にして人類の欲望ってやっぱり死ぬ一歩手前まで続くんだと….
(和モノ・フォークなのにレーベルは何故か洋楽が専門のエレクトラ・レーベル)