CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

オールマンがドゥービーに改名?

2020年03月01日 | Southern Rock

メンバー間の意見の相違あるいは対立により1976年解散に追い込まれたオールマン・ブラザーズ・バンドは、1978年に再結成を果たし翌年のオリジナル・スタジオ・アルバム、Enlightened Rougeを出すも所属レコード会社だったキャプリコーン・レコードが倒産。

そこで新たにアリスタ・レコードと契約を交わし活動を続行。そして1980年にアルバム、Reach For The Skyをそのアリスタから発売。 

(オン・タイムでレコードは購入しなかった。2008年に紙ジャケ化された時に即お買い上げ)

アリスタと言えば、70年代コロンビア・レコードの社長として大成功を収めたクラウス・ディビスが背任の疑いで解任され、その後彼はコロンビア映画の傘下だったベル・レコードのコンサルタントに就任し、それを土台に設立された新興レーベル。

ベルは、オズモンズ、デビッド・キャシディーやトニー・オーランド・アンド・ドーンなどらお茶の間ポップ・アーティストらが在籍、そして新レーベル設立後もバリー・マニロウ、メリサ・マンチェスターやベイシティー・ローラーズなど同様にポップ路線のアーティストが数多く在籍。

そこでコロンビア時代の昔取った杵柄とでも言えば良いのか、レーベルの間口を広げるためロック路線も拡充。アウトローズ、キンクス、アラン・パーソンやルー・リードらと契約を結んだ。

オールマン・ブラザーズとの契約もその路線に沿ったものかと….

芸風は初期の泥臭いブルース色は薄らぎ、大ヒット・アルバム、Brothers And Sistersあたりのポップ路線を狙ったものですかな? 

ただキャプリコーンのような南部のレーベルと違って、ニューヨークを拠点とするアリスタの垢抜けたイメージから全体的に売れ筋ポップ路線での制作が不問律となっていたのか、演奏や歌唱にやや軽さを感じ、聴きようによってはドゥビー・ブラザーズのような雰囲気が。

もちろんこの業界売れてなんぼの世界なので、頑なに己のスタイルを通そうとしても結果が伴わなければ契約は切れる。

このアルバムからシングル・カットされたオールマンらしさが無い軽快なロックンロール・ナンバー、Angeline。

ディッキー・ベッツとこのアルバムの共同プロデューサーであるマイク・ローラーとジョニー・コッブが曲作りに加わっていて、なんとしてもヒットに繋げたいレーベルの意向が見え隠れしないでも無い。

しかし私としては、このアルバムがオールマン・ブラザーズにそぐわないなどと言う否定的な見解は持たない。

この過渡期の時代があってその後のバンド活動に繋がって行くわけだから、これはこれで彼らにとって必要なアクトだと。

それに先入観なしでこのアルバム実際聴いてみてれば、オールマンードゥービーなかなかよろし〜と思うのであります。