自己をリセットする機会といえばやっぱり年が変わる時期。
日本の場合は何と便利な事にそのチャンスが年間に2回ある。西暦の年号が変わる1月1日と日本特有の年度が替わる4月1日。
年度末会計といって役所は3月末が決算、私企業でも3月決算が全体の20%を占めるそうな。また学校も4月スタートが殆どで、企業も学校のスケジュールに合わせて4月1日で新しい職場に転勤ってよくある話。
自身をリセットし新しい年度に期待を持ってスタートするのだが、今年はちょっと様子が違う。新型コロナ・ウイルス感染拡大で外出自粛要請てなことで、ウキウキ・ムード一切無し。
リセットどころか、ウキウキ・ムードを排して週末自宅警備員として仕事に励むしか無い。
玄関ロック・オーケー、トイレ消灯、水道蛇口及びガスレンジ閉栓オーケー、そして余った時間はブログ原稿作成に。
本日はビートルズの1964年12月4日に英国で発売された、ジャケの絵柄が少しばかり沈んだ雰囲気がなくも無いBeatles For Saleの日本盤でも。
(1969年のアップル・レーベル再発盤、帯に記載された邦題は何故かビートルズ65とアメリカ編集盤と同じタイトルでややこしい。日本ではこのアルバム、3か月遅れの1965年の2月に出たので間違ってはいないが...)
1964年の彼らと言えば、コンサートやドタバタ・コメディー映画の撮影やそのサントラ盤の制作と非常に忙しく、年末の書き入れ時に出すアルバムも時間の都合でオリジナル曲だけではアルバムが埋まりそうもないので、手慣れたカバー曲6曲を短時間で録音しクリスマス商戦に何とか間に合わせたのがこのアルバム。
期近でシングル・ヒットしたI Feel Fineは収録されなかったことから、前作のオール・オリジナルのサントラ盤と比べるとやっぱりインパクトに欠ける感はするが、彼らとしてはやっつけ仕事だったのかもしれないけどかなりのレベルのアルバムに仕上がったのはすごいこと。
ちょいと地味だからお嫌いですか?と問われたら、お好きですって答えてしまう不思議なアルバム。
日本盤は翌年の2月にステレオ盤のみが発売。1964年当時はまだ単純な4トラック録音なので、まだまだステレオ再生で満足の行くバランスの取れた立体感を出すのがなかなか難しかったみたいで、個人的にはストレートなモノ盤の方が聴きやすくお薦め。
1987年のCD化の際このアルバムはモノ盤として発売され、それが世界基準としてリセットされた。(ステレオCDの初登場はそれから20年以上経った2009年のリマスター盤だった。)
1982年のオデオン・レーベル・モノ盤は、実は日本盤レコードとしては初出だった。
なるほど、当時のビー・ファンのお歴々は輸入盤買わないとモノの素晴らしい魅力は味わえなかったのだと、本日改めて知識をリセットした次第で...