つい先日某通販のサブスク・サイトでリンダ・ロンシュタットの自伝的なドキュメンタリー映像、Sound Of My Voiceを見た。
1時間半程度の長さでなんでも2021年のグラミー最優秀音楽映画賞を受賞した結構見応えのある作品だった。
リンダは歌手になろうと故郷からロス・エンジェルスに出てきて、ボブ・キンメルとケニー・エドワーズの3人でフォーク・トリオ、ストーン・ポニーズを結成。67年にキャピトル・レーベルから出たDifferent Drumが中ヒット。
ただ、キャピトルとしてはリンダのソロでの売り出しが理に叶っていると考え、ストーン・ポニーズはあっさりと解散。ソロになってそこそこの知名度を獲得していくと、プロデューサーに元ピーター&ゴードン、ジェイムス・テイラーの一連のヒット・アルバムのプロデューサーだったピーター・アッシャーの目に留まりリンダのプロデュースを引き受けることに。
そのキーとなったアルバムがピーター・アッシャーが単独でプロデュースした1974年のアルバム、Heart Like A Wheel。
オールラウンドで圧倒的な歌唱力を武器に、懐メロR&B、フォーク、カントリーにバラードと色々なジャンルをリンダに歌わせてみたところ、これがピッタリとハマって全米1位の大ヒット。特にアルバム・オープナーを飾るR&B、You’er No Goodでのドスの聴いた歌いっぷりは最高!
また彼女の歌唱力もさることながら、どこでどのように見つけてきたのか選曲が秀逸。アルバム・タイトルになったしっとりしたバラード、Heart Like A Wheelはカナダの無名のシンガー・シングライター、アンナ・マクギャリルの作品。それ以外にポール・アンカ、エバリー・ブラザーズ、ローウェル・ジョージ、ハンク・ウイリアムス、ジェーム・ステイラーらの作品を取り上げ、更にオイラの大好物のライ・クーダーもカバーしたダン・ペン作のThe Dark End Of The Streetなんてほんと渋いところついている。
この後、パンキーなロックから更にはオーケストラをバックにジャズ・スタンダードに果敢に挑戦と自身のやりたいことを次々と極めていくのは流石の一言。
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