CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

8トラがなんでジョージ・ハリスンに?

2015年03月03日 | BEATLES-BADFINGER関連

昨日のジャクソンブラウンでTHE LOAD-OUTという曲を紹介しましたが、その歌詞をじっくり読んでみると、WE GOT DISCO IN EIGHT TRACKS AND CASSET IN STEREOという行があります。

このEIGHT TRACKS AND CASETTEとは一体何かご存知でしょうか? そうです、8トラのプレイヤーとカセットの事です。8トラックとはステレオトラック(2トラック)が一本のテープに4つあることです(4チャンネル)。現在のカセットテープの再生装置が小型化されるまでは、8トラのシステムがカーステレオに採用されました。

ただし巻き戻しも早送りもできないので、チャンネルを他に切り替えても、曲の途中である同じテープのポジションから再生されるため、一旦そのチャンネル全てを聴き終える必要がある不便なものでした。しかしながら、雑音のないステレオサウンドがあの狭い車の中に轟くことは当時としては画期的な事でした。

我が家にも70年代の初めに車を買い替えた時、8トラのカーステレオが付いてきて、車の中で音楽を楽しむことができました。その当時はロックの8トラカセットは小さなレコードショップでは見かけず、とりあえず歌謡曲とマカロニ・ウエスタンのテーマソングのカセットが購入されました。エンリオ・モリコーネの荒野の用心棒などを走る車の中での再生すると、なかなか軽快で楽しかった記憶があります。

70年中から後半になると普通のカセットで早送りや巻き戻しまたは頭出しができる新しいカーステレオが出てきたので、カーステ用の8トラカセットはほとんどマーケットから駆逐され、バーのカラオケ専用になっていきました。

前振りが長くなりましたが、この話とジョージが何の関係があるのか? それは単なる駄洒落で、8トラ→エイトラ→エキイトラ→エキストラ→エキストラ・テクスチャー、バンザイとなります。

ビートルズ解散後のジョージの4枚目のソロアルバムで、前作のダーク・ホースが声の調子の悪さからか、評判があまり良くありませんでした。個人的には、無理して全米ツアーを行わないで、もう少しアルバムの制作に重点を置いて制作すれば、もっと良い結果が出たのではと思います。それでもさすがジョージ、全米チャート4位。

エキストラ・テクスチャーは、EMIとの最後の契約で、これ以降はやっと念願の自身のダークホースレーベルから発売されることになります。アルバムの題名のEXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)は新聞の号外などの意味に使われることから、EMIレーベルから最後の一枚という意味ではないかと、またレーベルのリンゴの芯はこれでお終いという意味と想像できます。

米盤と日本盤はジャケットの文字が打ち抜き加工されていましたが、オリジナルの英盤は打ち抜きなしで、その代わりジャケットの表面にエンボス加工がなされていました。すなわちそのエンボス加工がアルバムタイトルの一部のTEXTURE(手触りや肌合い)をも意味していて、また内ジャケットには、OHNOTHIMAGENと書かれていますが、これはジョージ特有のジョークで、OH NOT HIM AGAIN(ジョージはもう御免だ)と自ら前回のアルバムの不人気に対して突っ込みを入れているように見えます。OH NO IMAGINとジョンを揶揄しているわけではないでしょう。

アルバムの内容は、人それぞれ感じ方が違いますが、曲の出来は良く、またジョージもリラックスして歌っているので、一ファンとしては喜ばしい限りでした。

機会があれば、OHNOTHIMAGEN何て言わないで、一度聴いてみて下さい。

つまらない駄洒落を使うなとお叱りを受けるかもしれませんが、ご容赦を。

LPの写真をとるのは面倒でなかなかうまく撮れないので、 最近リイシューされたCDからのものを使っています。


OHNOTHIMAGEN


リンゴの芯


EXTRA TEXTURE, READ ALL ABOUT IT, 号外! 表面のエンボス加工見えますでしょうか?


最新の画像もっと見る

コメントを投稿