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キャット・スティーブンスのCatch Bull At Four、我が家の地味なレコード紹介シリーズ、その十六

2017年10月08日 | BRITISH ROCK
1972年に出た第六作目のスタジオ・アルバム。

裏ジャケ


1970年のTea For The Tillerman(全米8位、全英20位)や翌年の大ヒット・アルバム、Teaser And The Firecat Cat(全米2位、全英2位)に続いて出されたこのアルバムは全米1位、全英2位を記録しプラチナ・アルバムに認定されたのでまったく地味では無い。



しかしながら前々年や前年のアルバムに収録されたWild WorldやMorning Has Brokenのようなヒット・シングルがこのアルバムに収録されていなかったから、なんとなく派手さに欠けるって感じがするのだろうか。

アルバム全体を聴いてみるといつものキャット・スティーブンスである。

ところでこのアルバムのタイトルは、仏教の悟りについての教えが10枚の絵に描かれ、牛(水牛)を悟りに例え、それを何とか収得しようとする人間が描かれた十牛図のうちの一つである。

Catch Bull At Fourとは4枚目の絵、すなわち第四段階の状況をしめし、ちょうど牛(悟り)を捕まえた場面である。

正確かどうかはわからないがザックリ説明すると、その時点では欲する悟りなるものを手には入れたものの、自身がそれに馴染むには時間がかかることを述べている。

今まで、夕方近づいてきたので放牧していた牛を牛舎に戻すために4時に捕まえたなんて思っていたのだが、そうではなくて、キャット・スティーブンスはこのとき何か閃いたってことね。

更に段階が進んでいき、悟りに馴染んでいくほどに、あたかもそれまで存在していたことが感じられなくなって、無の境地に至り、最終的に10枚目の絵には、現世に戻ってその悟りなるものを人々に伝え広めていく。

そのことが、1974年に出た次の次のアルバム、Buddha & The Chocolate Boxに繋がり仏教の教えに目覚めたのだと思いきや、意外や意外1978年にイスラム教を信仰することになる。


当時はその変わりっぷりに驚いたのではあるが、ふと我を振り返ると、助けてくれれば誰だって神になる、すなわち八百万神を信仰する我ら日本民族にとってはその程度の事別にど~ってことないかもね。

お正月には何かご利益が無いかと神社仏閣手当たり次第お参りするし、家に帰ればお小遣いを支給していただく山の神もいるしね。


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