CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

本質に逆らう二人組、Two Against Nature

2018年08月14日 | AMERICAN ROCK/POPS
Revival(復活)と言うと、このお方たちを忘れてはならない。

2000年に不意に発売されたスティーリー・ダンのスタジオ・アルバム、Two Against Nature。


その間ソロ活動やライブ盤の発売はあったものの、バンド名を冠してのスタジオ・アルバムが出たのは20年ぶり。

大ヒットし、アルバム・オブ・イヤーを含むグラミー4冠を奪取する離れ業。

リバイバル物の場合、ファンが望むのは前作の延長線上でまた何か新しいことをやって欲しいって事になるだろう。

あの時の俺たちとは違う!って完全に芸風を変えてしまうと、もしそれがリスナーに受け入れられなかった場合、制作した本人たちは“あ〜そうですか”とそっけないかもしれないが、レコード会社の営業はビビってしまう。

制作段階でそんな葛藤があったかどうかはわからないが、出来上がってきたものは、一聴でスティーリー・ダンのそれとわかるもの。

しかしそう単純に思われるのも嫌なひねくれ者のスティーリー・ダンは、リズムを強調したアップ・テンポのタイトル曲、Two Against Natureであえてはっちゃけた姿を披露し逆らってみたのかなと妄想する。

Royaltyと Loyalty

2018年08月12日 | CCR and John Fogerty

2004年、ファンタジー・レコードがコンコード・レコードに買収された。

これを機に、ジョン・フォガティーのCCR時代に作った楽曲の著作権に関する旧所属レーベルとの30年にもわたる不平等な取り決めから解放された。

1985年のソロ・アルバムCenterfieldに収録された曲、The Old Man Down The Roadで、当時のファンタジーの経営陣に対して大きな不満を持っていたジョンは彼らを揶揄した。そうするとCCR時代に自身が作曲したRun Through The Jungleに似ているとのことで、なんと著作権侵害でファンタジーから提訴され裁判沙汰となった事があった。

そんな過去における負の遺産も気にする事も無くなり、新しい気持ちで出したのが2007年のソロ・アルバム、Revival(復活)である。


派手さはないがCCR時代を彷彿する様な曲が並んでいて、その中でもCreedence Songと言う曲にどうしても注目がいく。各歌詞の最後を締める一節にYou Can’t Go Wrong If You Play A Little Bit Of The Creedence Song とある。


You Can’t Go Wrong If You Play A Little Bit Of The Creedence Song が先に浮かんで、他は自身の話ではなく創作したものだとの事。

クリーデンスの歌をちょっと演奏しても、著作権の問題が解決されたので、もうおかしな事にはならないって意味かな….

歌にするにはちょっと皮肉っぽい感じもするけど、まあ精神的に吹っ切れて復活出来たのは良かった!

ところで著作権なる言葉、辞書によれば Royaltyと記す。通常は王位とか王権の意で使われるが、業界用語として著作権とか知的財産(商標)などの使用料などの意味でも使われることも。

カタカナに直すとロイヤルティもしくはロイヤリティとなる。

紛らわしいのは、カタカナ表記でロイヤルティ、但し英語ではLoyaltyと書いて忠義とか忠誠、また忠誠心を意味する言葉がある。

旧ファンタジーのマネジメントがジョンに対して適正なRoyaltyを設定しなかったため、彼はレーベルに対してLoyaltyを持つことが出来なかったというダジャレで話を締める。

やっぱり辞書は引いてみるもの、おかげで勉強になった。


今日聴いたレコード、その2

2018年08月11日 | AMERICAN ROCK/POPS
女性カントリー・シンガー、ジュース・ニュートン4枚目ソロアルバム、Quiet Lies。


前作が大ヒットしたので、その特権としてレーベルのデザインはジャケと同じ本院のポートレートが採用された。
手持ちのレコードは、EMI・シンガポールでプレスされたのでキャピトルのスタンダード・レーベルのデザインを採用。ただし、紫色ではなく濃いブルーとなっている。

70年代から80年代にかけて、カントリー・シンガーがポップやロックよりの歌を歌う様になり、より一般受けする様になった。

ジュース・ニュートンも前作の大ヒットしたアルバム、Juiceのポップ路線を継続。

前作と比べて売り上げは落ちたものの、アルバムは前作同様に出来のいいアルバムだと思う。

Love’s Been A Little Bit Hard On Meなど三曲がシングル・カットされそれぞれカントリー・チャートを賑わせた。

その中で1962年ブレンダリーがヒットさせた、Break It To Me Gentlyのカバーは秀逸でその年の女性カントリー・ボーカル・パフォーマンスのジャンルでグラミー獲得。

この曲、女性のカントリー・シンガーの美声で歌われるよりは、ちょっとドスの効いたしゃがれ声のボニー・レイット姐さんにブルージーに歌ってもらえたら個人的にはよかったかなと思う。

でもお嫌いですかと問われれば、お好きですって答えてしまう。

そこのお嬢さん、気〜つけなはれや〜(関西弁で言ってみる)

2018年08月09日 | American Hard Rock

本日は1974年のGrand Funk9枚目スタジオ・アルバム、All The Girls In The World Beware!!!


邦題はハード・ロック野郎(世界の女はご用心!!!)

プロデューサーは、トッド・ラングレンから、スリー・ドッグ・ナイトやラスベリーズのレコード制作に関わった、ジミー・イエナー。

このアルバム一聴してわかる様に、以前のハード・ロック路線から新しいプロデュサーの芸風 によってポップ・ロックに生まれ変わる。

アルバム・タイトル曲のAll The Girls In The World BewareやRunnin’などハードなナンバーも収録されてはいるものの、以前と比べればハード・ロックお得意の低域や高域より、中域の音を強調しているためあまり重く感じない 。

邦題のハード・ロック野郎は少し違和感が….

ところで、このタイトル曲の歌詞がちょっとぶっ飛んでいるので、訳してみる。

All The Girls In The World Beware(世界の女はご用心!!!)


I got tartar on my teeth, but I don't care
歯には歯石がついているが、そんなこと気にしちゃいない。
I got dark brown stains, in my underwear
下着にも茶色いシミが
I'm a crumb and a bum, I'm a slouch and a louse
俺はクズの浮浪者、猫背でロクでもない野郎さ
A crazy man who don't give a damn about his self
自身を蔑むなんてしない、クレージーな野郎さ

All the girls in the world beware
All the girls in the world beware
All the girls in the world beware
All the girls in the world beware
お嬢さん、気をつけな
I'm the crazy man
I'm the crazy man
I'm the crazy man
俺はイッちゃてるからな

ゲゲッ! この人ってイッちゃってる浮浪者のおじさんのこと?

それから気になったのが、日本盤のCDの歌詞カードと対訳酷いね〜


Tartar(歯石)なのにTireって聞き取ってしまっているから、”歯にはタイヤ”って意味不明の邦訳。

更にDark brown stainsなのに、Dun pan stalksて聞き取っているし、そのあとのI'm a crumb and a bum, I'm a slouch and a louseのところも間違って聞き取っているので意味不明、

Grand Funkが芸風を変えてまでこのアルバムを出す必然性があったのだろうか?なん〜て時々思うのだが。

ただ、Bad Timeなど出来の良いスムーズなポップ・ソングには心が惹かれる。


お嫌いですかと問われれば、お好きですって答えてしまう。



いや〜ん、あんた、そんな…と森の住人が言う

2018年08月08日 | BRITISH ROCK
ジェスロタル 、1977年の10枚目のアルバム、Songs From The Wood。

不人気なコピー・コントロール付きCD

このアルバムより少し芸風が変わり、今までのプログレをベースにビートの効いた流れる様な演奏のブリティシュ・トラッド・フォークの味付けがなされた。

イギリス中世の森の世界における自然や超自然現象などをテーマにしていると言われている。

何と無くロビン・フッドの世界のイメージなんかが浮かんでくる 。

森の住人達

このレコード、大西洋を挟んだイギリス本国(13位)とアメリカ(8位)の両方でもそこそこ売れたようで、やっぱりアングロ・サクソンの血をひく人達にとって何か郷愁を感じさせるものがあったのかも知れない。

なんと! 木の年輪がレコードの溝になっている。

ただ、この手の音楽にあまり馴染みのない人が一聴すれば、掴み所がなくちょっと退屈するかも知れない。

助手:博士、ジェスロ・タル攻略、なかなか厳しいものがあります。フォーカスなら問題ないのですがね….

博士:むむ〜、我が研究所にはブリティシュ・トラッドを誰一人として理解出来る者がいないのか? (一人しか居ないから仕方がない)

ブリティッシュ・ロックを極めるのは一筋縄ではいかんのう〜

助手:博士!ジャパニーズ・トラッドならなんとかなりますが。

博士:と言うと?

助手:今は夏ですから、東京音頭などの盆踊りのテーマ・ソングあたりですかね。

三波春夫の五輪音頭なんかも捨てがたいですね。

オリンピックの顔と顔、それトトント、トトント 顔と顔〜♪♪ って子供の頃踊った様な…

博士:そう言えば、イアン・アンダーソンのフルートは祭囃子の笛の音にも聴こえるときがあるから、いっその事、ア〜ソレソレって合いの手なんかダビングすれば、日本のリスナーにも受け入れられるかもしれんのう〜

助手:博士、イアン・アンダーソンがいや〜ん、あんた、そんな…って言うかもしれません。

博士:今回も苦し紛れのつまらない駄洒落で終わったのう。

これでオイラもオーディオ・マニア!

2018年08月05日 | 特になし
狭い部屋故、置き場所のなかったスピーカーもスピーカー・スタンドを導入することによって、ようやくまともなリスニング環境を整える事ができた。

これで、私にとって大枚をはたいて購入した猫に小判状態だったスピーカーも浮かばれるのではないかと…

折角だからこのスピーカーの能力を最大限に引き出そうと、スピーカー周りの小物を某通販サイトを覗いて見た。

音響マニアによると、一番手っ取り早いのはスピーカー・ケーブルやコネクターの取り替えかインシュレーターの装着となる。

スピーカー・ケーブルはピンからキリまであり、価格は1メーターあたり100円台から数千円が相場である。

現在は、ベルデン8470というメーターあたり200円台のケーブルを使っており、長さはアンプの設置場所の関係で5Mを2本使っている。

どの辺りまでグレード・アップすれば音質が変わるという確信的な判断が出来ないのと、ケーブル交換はちょっと面倒なので却下。

という事で、目に止まったのがインシュレーターだった。オーディオ・テクニカ製AT6098、真鍮のボディにゴムを絡ませたものでお値段なんと2千数百円也。

(ワンセット8個組み)

インシュレーターとは絶縁体という意味で、電気、熱、音や振動などを遮断するもので、この場合はスピーカ本体の振動をその設置面にできるだけ伝導させないようにすることによって、共振を抑える効果があるとのこと。

共振による濁った音がなくなり、スピーカーの方向から聴こえる音はスッキリ改善されるわけである。

商品のレビューには、音が激変とか、ビックリするくらいの音の変化を感じたなんて書いてあって、オォ〜! これだと思いポチった。

商品が届いて早速インシュレーターをスピーカーの底面に設置。

外見は中々いいじゃん! これでオイラも一介のオーディオ・マニアになった気分、な〜んて….

(いかがでしょうか?)

しかし、本当にレビュー通りに音が激変したかどうかは確かめておかねばならない。

これが大変。インシュレーターなしで音源を聴いたのち、インシュレーターを咬まして同じ音源を聴く。

小型ではあるが一本8キロもあるスピーカーをインシュレーターを咬ますために上げ下げするのは結構難儀な作業。そうこうするうちに初めに聴いていた音の印象も薄らいでしまい比較対象とならない。

それにスピーカーからのそれぞれの音源を同じ条件で録音し、その録音した音源を同じスピーカーで再生し比較するのもなんだか違うって気がして….

そもそも、このスピーカー結構頑丈に出来ていて、低出力での再生ではスピーカーに手を当ててもほとんど振動を感じない。インシュレーター必要?って気も…

私のような駄耳の持ち主は幸せかもしれない。

本当に微妙な音の変化を聴き取れる能力を持った人なら、自身の満足する音を追求するあまり、多額のお金をオーディオ関連の商品に投入することになってしまう。

まあ、折角2千数百円も出して買ったものだから、プラシーボ効果でもなんでもいいから音が良くなったと思っておきましょう。

今日聴いたレコード

シカゴ、1971年の日本独自編集の来日記念盤、栄光のシカゴ。ジャケのデザイン気に入っています。


日本のサーファー御用達、サンフランシスコのバンド、パブロ・クルーズの1978年の4枚目のスタジオアルバム、Worlds Away
当時長髪、ボルトのTシャツ、半パンにビーチ・サンダルの出で立ちだった私のような偽サーファーも聴いていました。

マジでイケてる? スプリングスティーンのMagic

2018年08月05日 | AMERICAN ROCK/POPS
暑い! 今日も本当に暑い!

そんな暑さにから思い起こすことは、確か今から丁度10年前の8月、今日のような猛暑だったかどうかは定かではないが、ブルース・スプリングスティーンの新譜が出るとネットのサイトで告知されていた様な記憶が….

CDの発売は10月頃だったと思う。

この2007年のアルバム、Magicは1980年の2枚組名作の“The Riverの様な” と言う触れ込みに反応、新譜Magicで懐かしきスプリングスティーン節が戻ってくるのではないかと、その年の11月初旬にCDを購入したのである。実は、1984年のBorn In The U.S.A.以降のアルバムは何と無くマンネリ気味に感じあまり聴かなかった。


今日久々にこのCDをプレーヤーに乗せ聴いてみる。

パワー全開の Radio Nowhereから始まるも他の収録曲は結構バラエティーに富んでおり、また曲は3−4分程度に収めてありくどさを感じさせないので、全編通して聴き易い。

CDの収録時間は最大でだいたい70分前後であるが、その容量を目一杯使わずトータル47分とLPレコードと同じ程度の長すぎぬ収録時間も聴き疲れしなくて中々よろしい〜。

アナログ人間にとってL Pを心地よく鑑賞するツボとして、 サイド-1が終了するとサイド-2の再生するためレコードをひっくり返し針を落とすと言う儀式が重要である。

短い間ではあるが、この作業によって一息つけリスナーは気持ちをリセット出来るのである。

願わくは、CDの収録形態をLPレコードの様にサイド-1とサイド-2の2部構成にして、 サイド-1とサイド-2の間には30秒程度のブランクを設けみては?

そのアイデア、マジで、イケる!

マジでイケる?

マジイケ?

マジック?

Magic、万歳〜!

今日も本当に暑い。