CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

Ummagummaを座して聴いてみる

2020年12月06日 | PROG ROCK

1969年彼らの通算4枚目のアルバムは2枚組大作、Ummagummaが登場。

当時の活動の現状を示すライブ・パートとメンバー皆さんの我儘お聴きしますって感じの4人4様自由度100%のソロとでも言える作品を収めたスタジオ・パートから成る。

1960年代の末ごろは、ロック、ジャズそしてクラシックを融合させたクリムゾン、ハード・ロック仕立てのブルースを演じたレッド・ツェッペリンらが続々登場でニュー・ロックなんて言葉が生まれた時代。

当時のリスナーは次の新たな10年の幕開けに相応しい更なる進化を求め、今まで聴いた事のないこの実験的なサウンド満載のアルバムもプログレ発祥の地イギリスでは歓迎されたのだろう。(日本ではあまり売れなかった様だが、イギリスではチャート5位に食い込み大健闘)

今改めてこのアルバムを聴けば、ライブ・パートは既出曲からの選曲なのでさほどの驚きはなく“らしさ”が溢れる演奏で、2枚目のスタジオ録音はデヴィッド・ギルモア制作のフロイド風バンド・サウンドのパートを除けばちょっと前衛的でコアなファンでない限り何度もリピートしないだろうと思ったり…

ロジャー・ウォーター作のサウンドコラージュ、Several Species Of Small Furry Animals Gathered Together In A Cave And Grooving With A Pict聴いているとジョンのRevolution No.9の方が個人的にはなんだか良く思えてくるのだが... むむ〜

(ライブするぞ〜! えっ! 畑のど真ん中で? まあ、“らしい”と言えば“らしい”けど...)

それでも今日だけでライブ・パート3回繰り返し、スタジオ・パートは2周目突入と結構聴いたね。

これでオイラもフロイド通!

ちょっと薄っぺらい気はするけどね。


反戦歌のアリスのレストラン

2020年12月05日 | AMERICAN ROCK/POPS

アーロ・ガスリーといえばディランが崇めた流浪のフォーク・シンガー、ウディ・ガスリーの息子。

その彼も親と同じ道を辿りフォーク・ミュージシャンとなる。

そのデビューはのちに彼主演で映画化もされた1967年のライブ収録のアルバムAlice’s Restaurant。

(Alice’s Restaurant Massacreeを収録した1977年のベスト・アルバム)

18分30秒にも及ぶAlice’s Restaurant Massacreeは私のような英語不得手のレベルではかなりの難攻不落の強敵となる。

牧伸二のあ〜あ、いゃんなっちゃった、あ〜あ〜あ、驚いた〜と言う出だしのウクレレ片手の歌謡漫談のような形式で、フィンガー・スタイルのラグタイム・ギターの伴奏に歌と語りが入り混じる構成。

You can get anything you want to Alice’s restaurant

Walk right in, it around the back

Just a half a mile from railroad track

と言う歌の文句は聞き取れるが、語りの箇所となると字幕なしの洋画を見るのと同じで一体何の事を言っているのか判らないし、当然他の観客が笑うタイミングもつかめない。

てな事でインターネットに出ていた歌詞を眺めてみると、

数年前に友人のアリスが住む教会を訪ねた。一宿一飯の恩義を感じ教会の清掃の後、500キロのゴミ赤のワーゲンのマイクロ・バスに積み込んでゴミ処理場へと向かったが、生憎感謝祭の休日で処理場は閉まっており偶然見つけた既に他のゴミが投下されていた道端に投棄したところ、不法投棄って事で警察に逮捕勾留と相成る。

アリスによって保釈されたがその後流れ作業の様な裁判であっさりと有罪確定、罰金50ドルと投棄ゴミの回収。

この話が伏線となって、その後ニューヨークにある徴兵検査場に出向いた時、そこで徴兵逃れを意図したのか反抗的な突飛な行動を示したところ、問題ありとされ同類の連中が集うグループに括られて再聴取。

そして過去の不法投棄による犯罪歴により徴兵不適格者と認定された。

同じような経験があれば、アーロのギターをバックに是非語っていただきたい、てな感じの歌ですかね。

当時はベトナム戦争が泥沼化していた時期で20〜25歳の若者は抽選で徴兵されたそうな。

特権階級の議員や富豪の息子は徴兵から逃れられるとCCRが皮肉って歌ったFortunate Sonもあるように、義務とはいえ誰しも兵役を逃れたい。

Alice’s Restaurant Massacreeはこの時代のユーモア調だけど毒の効いた反戦歌ですね。

レノンの歌うImagineのような理想の世の中になってくれればいいのですがね。

ただ古今東西、強い者が弱い者のマウントを取り支配する欲望癖は未だ衰えず、全く歯止めが掛からず戦争の種子はあちこちばら撒かれいるのが現実でありまして…

このアルバム、英語の個人的聴き取り能力次第で長尺の語り部分の多いAlice’s Restaurant MassacreeやMotorcycle Songなんかは退屈に感じるかも知れないが、その他の収録曲は哀愁のホーボー・ブルースって雰囲気を醸し出していて中々よろし〜


ロック・オペラのトミー

2020年12月04日 | BRITISH ROCK

久々に手に取るロック・オペラの元祖、ザ・フーの1969年の作品トミー。

母親と愛人、父親の愛人に対する復讐、その息子トミーが受けた精神的ダメージによる三重苦、トミーに対する従兄弟による虐めや叔父による虐待など内容的にかなり重苦しい雰囲気ではあるが、音だけ聴くとポップで結構サクサクと行けてしまう。

こんな時は日本人でよかった〜って気がする。

単純に音だけ楽しめばそれでよし。


忘れ去られたシンガー・ソングライター、スティーブ・フォーバート

2020年12月02日 | SSW

ミシシッピーの片田舎からニューヨーク出てきて本格的に音楽活動を始めるって言う生い立ちは何となくディランを彷彿させるが、時は70年代って事でニューヨークではパンクに影響を受けたらしい。

その後芸風をフォーク・ロック系に転換し1978年にデビュー・アルバムを出しNew Dylanと呼ばれたそうな。そして翌年のJackrabbit Slimは全米20位と結構ヒットした。

その後数枚のアルバムを出すもレコード会社との揉め事で1982年にアルバムを出してからは契約上レコーディングが出来ない状態に。

ようやく契約が解除され新規一転ゲフィン・レーベルと新たに契約を結び新たなアルバムが6年後の1988年に出た。

それがスティーブ・フォーバートのニュー・アルバム、Streets Of This Town。

スプリングスティーンのEストリート・バンドのメンバー、ゲイリー・タレントがプロデュース、ニルス・ロフグレンも1曲だけではあるがギターで客演を果たしている。

個人的には割と好きなアルバムで、ディラン、スプリングスティーン、トム・ペティやエリオット・マーフィーなんかがお好みのアーティストならば、スティーブ・フォーバートもきっと気にいると思う。

セカンド・アルバムのヒットを足がかりにこれからと言うときに、1982年からの6年のブランクは世間から忘れ去られた状況に追いやられて本人にとってかなり厳しかったかも。