新しい環境(会社)に慣れるために、自分の味方を(いち早く)見つけることは、
心の支えにもなり、現実的な情報を得られる利点もあり、非常に大切なことである。
「味方」・・・・定義はいろいろあるとは思うけれど・・・少なくとも私自身に対して
拒否反応をもつことなく、ある意味で自分のことのように配慮してくれる人のことで、
違った方向から解釈すれば、私が心から「信頼できる人」のことである。
そんな関係だと一方的に思っている人と、今夜、初めて帰宅電車が一緒になった・・・。
偶然だとは思えなかった。
この時機に、こうして密なるプライベートな話ができたことを、とても嬉しく感じられた。
私から何も相談することはなかったけれど、まるで心の奥底を見抜いたかのような的確な
アドバイスをもらえた。
それは、私の側に立った行動を促すものでもあった・・・。
今年、60歳を迎える“その人”は、もう少ししたら退職する。
きっと、ものすごく淋しくなるだろう。
会社で笑う回数も減るだろう。
そう思った・・・。
私にとっては、本当に「ありがたい人なのだ」と、今日・・・しみじみと感じた。
自分が普段思っている以上に、私は“その人の存在”を追いかけていたのかもしれない。
今や母のいない私にとっては、会社内での“母なる存在”だったのかもしれないとも思う。
一緒に帰宅した電車中に、降り始めた雪――。
彼女が降りた途端に、突然、激しい降り方になってしまった。
ぼ~っと車窓を見つめながら、空虚な気持ちを抱えていたら、あっという間に時間が過ぎ、
ぽたぽたという音を聞いていたら、あっという間に景色は真っ白に変わっていた。
数センチ積もった雪を踏みしめながら、亡父の足取りのように、一歩、一歩、ゆっくりと
滑らないように、雪まみれの階段を降りていきながら、自宅の玄関にたどり着いた。
私には、明日も明後日も、やることがある。
そのことに感謝しながら・・・・
毅然と、前を向いて、たとえ一人になっても、頑張っていこう。
「彼女の心からのアドバイスは、決して無駄にはしない!」。
強く心に根をはった言葉を胸に抱いて、明日も明後日も「やるべきことをやろう」。
明日の朝は早いというのに、雪の心配など何も感じない。
今、私は・・・・身体の中に芽生えた“熱いもの”を感じている!