寒さと 暑さと 飢えと 渇(かつ)えと
風と太陽の熱と 虻(あぶ)と 蛇(へび)と
これらのすべてのものに うち勝って
犀(さい)の角のように ただ独り歩め
<by ゴータマ・スィッダールタ 「ブッタのことば」より>
※犀の角は、“魔よけ”などに、使われていた。
解毒剤や解熱剤としても使われていたが、現在は
ワシントン条約によって使用ができなくなった。
記元前5世紀ごろ、ゴータマ・スィッダールタは、現在のネパールのルンビニーの地に
シャーキャ(釈迦)族の小国の王子として生まれた。
29歳で全てを捨てて、求道の旅に出て、厳しい苦行の末に、菩提樹の下で覚りを得る。
ブッタ(目覚めたもの)となったのである。
現在のインドには、仏教の聖地と呼ばれる場所が、いくつも点在している。
写真で、ブッダの足跡をたどりながら、はるか彼方の昔に想いをはせる・・・。
真理も、道理も、悟りも、・・・それぞれに、「概念」も「定義」も違えども、
いわんとしていることに、違和感は感じない。
そこから受け取る当時の“市井の暮らしぶり”が想像できる。
ブッダの時代から、生活様式はガラリと変わっても、巡礼者たちが絶えることがないのは、
その風景や風土の中に、ブッダの思想が生きているからに他ならない。
インドは、人間のるつぼであり、人に会わなければ旅をすることはできない地である。
いつか、元気なうちに、ぶらり旅をしてみたいものだ・・・。
インドは、「神と信仰の国」であると同時に、「喧騒と貧困の国」でもある。
しかし、この地を“天国だ”と感じる人がいる以上、好奇心はつのるばかりだ。