頑固爺の言いたい放題

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大学病院にもいる藪医者

2017-05-18 16:06:06 | メモ帳

熱海に眺望絶佳の大学病院がある。正面に大島を、伊豆半島を右手に見る雄大な眺めである。この喫茶室でコーヒーを楽しもうと、前々から先延ばしにしていた水虫の治療をこの病院に頼むことにした。診療は10分で終わり、ペースト状の薬と爪につける液状の薬を調合してもらった。

それから1年、毎日、足の指の間の患部に塗り薬を、親指の爪に液状の薬を丹念につけてきた。しかし、一向に良くならない。水虫の治療には時間がかかるとは聞いていたが、改善する様子がまったくないのは気に食わない。それに喫茶室の眺望にも飽きた。

それだったら交通費がかからない医者でいいだろうと、自宅から徒歩圏内にある医院を訪れた。

「これまで通っていた病院で調合してもらった薬が一向に効かないので、薬を変えたいのです」

「どんな薬を飲んでるんですか」

「えっ、飲む薬はもらっていません。塗り薬と爪に塗る薬だけです」とそれまで使用していた薬の名前を伝え、足指の間の白く変色した患部を見せた。

「あぁ、これですか。これは水虫じゃありません。しかし、皮膚病の一種です。爪に水虫菌がいるかどうか調べてみましょう」

白く変色した患部は、水虫ではなかった! 爪を削って、それを顕微鏡で調べた結果、爪には水虫菌がいることがわかった。

そして指定された薬は、ペースト状の塗り薬と液状の爪に塗る薬。

「さっきのお話では飲む薬も必要だということでしたが…」

「とりあえずは、この2種類で様子を見てみましょう」

つまり、爪の水虫は大したことがないということだろう。

薬局でもらった塗り薬の説明書を読むと「ニキビの治療に用います」とある。薬剤師は「ウッソー、年寄りがニキビを治療している!」と思ったのではないか(笑い)。

それから1週間で、変色していた患部はすっかり良くなった。短期間で治癒したのは有難いが、これまでの大学病院の治療は何だったのか。

私は時間とカネを浪費したが、国の医療保険勘定はもっと損した。大学病院ともあろうものが、ほかの皮膚病を水虫と誤診するとはなんたることか! 患者が水虫だといったから、水虫と判断したのか。

大病院にも藪医者はいる、という情けない話である。諸兄姉よ、ご用心あれ。