Saitolab 「なにもせんほうがええ」

婚しては妻に従い ボケては猫に従う

OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 17mm 1:2.8

2012年05月09日 | 修理・工作・技術
ケムンパスの冠水品レンズを入手した。修理を試みるも海水がメイン基板とフレキを侵しており正常品への再生を諦める。幸いなことに光学系は美しく正常に機能している。そこで一度レンズを全分解。錆と塩や砂を洗い流し電気部品やモーターを全て降ろしてしまう。このレンズの面倒なところはフォーカスや絞り操作全てが電気仕掛けということ。物理的なマニュアルフォーカスが出来ないのだ。マニュアル操作は機能として備わっているが光学式ロータリーエンコーダーの信号をメイン基板で演算変換しモーターを駆動する方式なのだ。ケムンパスのデジカメでは以前愛用していたE-10が既にこの方式を採用していた。一見上品な操作感ではあるものの微調整領域ではダイレクトな操作感に乏しくイライラするのだ。この電気仕掛けレンズの内部構造を検証してみた。果たしてロータリーエンコーダー部のパルスカムリングとレンズ内部ヘリコイドを何らかの方法で直結すれば本来のフォーカス操作はそのままに物理的な回転操作でのピント合わせが可能となることを見つける。そこで厚さ0.3mm程度のプラ板を円周分の長さ帯状に切り出してヘリコイド部の内部鏡胴外周に巻きつけエポキシで接着。更に無限回転するエンコーダ部とも接着。今まで無限回転していたフォーカスリングは最短撮影距離から無限遠を過ぎレンズ格納位置までの両エンド端の往復運動へと変わる。因みに絞り羽もモーター駆動であったので駆動部ASSYを降ろしてしまいピンセットで駆動ピンを操作し半固定で任意の絞り量を選んだ。そのうち連動ピンをレンズマウントあたりまでリンクを組んで持ってくれば操作も容易となるだろう。レンズ組み上げの最後は各可動部にシリコングリスを差して馴染ませ金属部はコンパウンドで磨きこむ。この17mmはコンパクトなパンケーキレンズで画角も広く思い切り寄れる。試写した結果では周辺部の解像度も文句なし。常用レンズにしても良いかも知れない。そして何よりも内部の臓物を全て降ろしたので軽いことこの上ないのだ。
コメント (2)
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