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Saitolab 「なにもせんほうがええ」

婚しては妻に従い ボケては猫に従う

黒白フィルムは 燃えるスクラムの街

2013年05月15日 | Weblog
所用で永田町に出たついでに九段下まで足を伸ばし靖国神社を参拝する。都内はあちこち探索すれど靖国は初めて訪れる場所。TVでよく観る風景ではあるけれど本殿の奥行きはイメージよりも狭かった。折角ここまで来たからはと、お隣の武道館の外観を見学し「太陽を盗んだ男」のロケ地確認。そして科学技術館に30年ぶりに訪れるも残念なことに休館日だった。諦めて半蔵門駅を目指すと「昭和館」なる博物館を発見。その存在すら知らなかったものだ。昭和のくらしを伝える展示物がメインとなるが、主目的は戦中の暮らしぶりがテーマのようだ。戦中戦後の展示物は我々世代にはよく知ったもので新鮮味はないものの、修学旅行の生徒がちらほら訪れるを見て納得。若い世代にはこの程度でも十分な情報量であり何もかもが知らないことだらけなのだと考えを改める。図書文献の閲覧もできるようなので図書利用カードを作り資料を検索。端末で「大阪砲兵工廠」を検索する。戦中の砲兵工廠の様子から空襲、そしてアパッチ族の証言やその暮らしぶりまでを知ることが出来た。どうやら開高の描く「三文オペラ」のような面白おかしい暮らしぶりではなかったようだ。曰く「日本人の作家に朝鮮は描けない」とはアパッチ生き残りのことば。書籍で判明した事実に今も工廠跡地の公園に残る「舟形石」と呼ばれる鉄塊は単なる空襲の瓦礫ではなく、砲兵工廠稼動中に溶鉱炉へ作業員が転落したときの鉄塊とのこと。骨も拾えず材料として使うことも憚られ、慰霊のため安置されたもの。今回の散策でまわった九段下という場所は良くも悪くも昭和のまま取り残された区画なのだと改めて思う。願わくば武道館も科学技術館もこのままであって欲しい。


参考文献

地中の廃墟から―「大阪砲兵工廠」に見る日本人の20世紀
河村直哉著

昭和館
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