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タイガートースター KTY-D101

2024年01月20日 | 修理・工作・技術
よく考えられた製品


「トースターがチン鳴らない」と妻が言う。チェックしてみると15分タイマーの動きが弱々しい。今にも止まりそうで心許ない。製造年のステッカーを見れば04年製。もう20年間使ってきたことになる。このタイガーのトースターは扉開閉に連動して中の網がリフトアップするのが特徴。何より底板は引き出し式に抜き取れフロントドアはヒンジ部がスプリング式でスライダーを引けば着脱が簡単。掃除が非常にやりやすい。こういった細やかな気遣いは製品設計思想の真骨頂と思う。


あちこち取り外せて清掃が楽。よく考えられている


一般的なトースターは製造時の組み立て工数削減から嵌め殺し構造が多い。このトースターも似たような構造を覚悟するもビス4本ほどを緩めれば側板が外れ主要部分にアクセスできた。メンテナンス性も良い。問題のタイマースイッチ本体はフロントパネルにビス2本で固定されていた。完全な一体構造で分解は不可能。回転軸から注油してみるも内部のスローガバナーには届かず。靴の上から足を掻くような気分。


高耐久、高耐熱を謳い分解は不可能


本来であればユニットの寿命なので新品交換が妥当なのだろう。タイマースイッチの動作不良は長時間通電(加熱)の恐れもあり安全保安部品に該当しそう。10秒考えてユニットの分解注油は諦める。そこで電動ドライバーを取り出しドリル歯をセット。片手でユニットを固定しながら強引に穴あけ作業。埃の混入を考えユニット底面にφ3mm程度の穴を開ける。


注油用の穴をあける


556の細ノズルを差し込み2-3秒噴霧。数回タイマー摘みを廻して動きを確認する。果たして力強いアンクルの鼓動がよみがえる。「チン」も鳴るようになった。一般家庭ならとっくに買い替えとなるところを復活させてしまった。このトースターにはもう少し酷使にお付き合いいただくことになった。




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