黒柴ひめちゃんの葛塚村だよりⅢ

葛塚城堀之内に住んでます。毎日歩いているひめちゃんとおかあさんの見て歩きです。時には遠くにも出かけます。

誠に香車の勢いなり(桐生合戦の事、木村、岩下、広瀬、山越討ち死にの事、付けたり、桐生落城の事・その1)

2024-09-15 20:30:22 | 桐生老談記の世界

夕方、怪しい黒雲が出て、遠くで雷鳴もしています

でも、ひめちゃんは、いつも通り中学校の信号付近まで行ってきました。

急げや、急げ

少しぬれたけど、なんとか無事におうちにたどり着きました

大雨の一夜になりそうです。

 

2022年9月のある日、ひめちゃんとタバサねーちゃんの朝散歩です。

ケンくんと出会いました

 

大好きなケンくんに逢えて、アタチしあわせでふ

初めは用心していたタバサねーちゃんも、いつの間にかケンくんが好きになっていました

 

初恋でございますですよ

 

 

 

誠に香車の勢いなり(桐生合戦の事、木村、岩下、広瀬、山越討ち死にの事、付けたり、桐生落城の事・その1)


去る程に寄手四方を取りかこみて、責め太鼓を打ちて鬨(とき)の音を上げ、城内にも同じく鬨(とき)を合せ、兼ねて用意の事なれば、驚ろく景色もなく、中にも山越は今日を限りと思い詰め、日頃一味の人々には、木村、岩下、広瀬各々心を合わせて、一散に乗り出し、左右敵の陣を見まわしける所に、

中里山の腰に旗一流し、大将の陣所とおぼしき様に見えける。

上下六十騎ばかり一度に駒を乗り出し篤と駒をならべ、荒戸村別当ヶ瀬を渡り、敵陣に向かって大声を上げ、「是は定めて大将の本陣にて候うべし。某等は桐生譜代の家臣、木村、山下、広瀬、山越なり。手並みの程を試み候え」と、真一文字に敵陣にかけ入りしは誠に香車の勢いなり。



あらすじです。

そうこうしているうちに、寄手(由良方)は、柄杓山城の四方を取り囲んで、太鼓を打って鬨(とき)の声をあげました。
城内でも、鬨の声をあげ、かねてから用意していたことなので、驚く様子もありません。


その中でも、山越は今日を限りと思い詰め、いつも仲間である人々の、木村、岩下、広瀬と心を合わせて、わきめもふらずに乗り出し、左右の敵陣を見まわしたところ、中里山の腰に旗が一流し見えて、大将の陣所らしく見えました。

上下六十騎ほどで一斉に駒を乗り出し篤と駒をならべて、、荒戸村別当ヶ瀬を渡り、敵陣に向かって大声を上げ、「ここはきっと、大将の本陣でしょう。私たちは桐生家譜代の家臣、木村、山下、広瀬、山越です。我らが実力を試してみたまえ。」と、脇目も振らずに敵陣にかけ入ったのは、本当に「香車の勢い」であった。




早朝に謀反が露見して、30人あまりを処刑しました
それから、戦闘態勢に入りました。
「かねてから用意していたことなので、驚く様子もありません。」とは、ちょっと矛盾する表現です。
謀反が露見して、慌てて早鐘をついて召集したはずでした

最初から「今日を限り」の雰囲気でした
「今日を限り」とは、敗戦をかさねて、もうダメだという時の表現だと思いますけど、まだ戦わないうちから「今日を限り」なんて


由良勢が柄杓山城の四方を取り囲んだとあります。
柄杓山城の範囲はどこまででしょう?

柄杓山城全体とすると、かなりの広範囲です。

取り囲むには、相当の人数が必要です

本丸だとしても、本丸に至るにはそれなりの戦いがあったはずです

鬨の声とは、あの「エイエイ、オウ」というやつですね
山越は木村、岩下、広瀬と決死の覚悟で城から打って出ます。
総勢60騎とは、「まだまだこんなに残っていたの」という感じです。


中里山、荒戸村別当ヶ瀬は現在のどこか分かりません。
でも、おそらく鳳仙寺または青蓮寺または天満宮のあたりかな?
どうも南の方に打って出た感じです


香車(きょうしゃ)とは、将棋で前方にだけいくつでも進めるコマだそうです。
香車の勢いとは、脇目も振らずに突進していく様子になります


なんとしても、華々しく散ってもらいたいようです。

 

 

初稿  2019.08.29  FC2ブログ「黒柴ひめちゃんの葛塚村だより」

改稿  2024.09.15

 

 

 

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