会派で7月31日~8月1日にかけて御殿場市と裾野市に視察に行かせていただいた報告をさせていただきます。
後先が逆になるのですが、まずは、三田市でも関わりの深い農業に関する報告から・・・・。
裾野市は、人口5万3千人、静岡県の東部、富士山の南東に位置。
市域は、138k㎡と三田市の約2/3の面積。当日は曇っていて富士山を拝むことができませんでしたが、天気が良いと市内からは当たり前のように富士山が見え、市の広報も「世界遺産 富士山」「すそのブランド」など、風光明媚なまちとしてPRに余念がありません。
さて、私たちが裾野市に視察に入った目的は、1月の地元紙に「薬草特産化へ試験栽培、耕作放棄地を活用」の記事が掲載され、目に留まったこと。
会派では、三田市でも農業者の高齢化率の上昇とともに耕作放棄地が徐々に広がりつつある現状を踏まえ、薬草栽培に関しての調査に行かせていただきました。
(裾野市役所近くの農産物販売所)
裾野市での耕作放棄地というと芝の産地(約300haが作付面積)でこれまでかなりの生産量を誇ってきましたが、バブルの崩壊とともに芝の需要が減ったため、芝畑をそのまま放置(芝刈り程度の管理)する生産農家が増加してきていると言う課題に直面し、これをなんとか克服するために試験的に芝畑を改良して「薬草栽培」を実施したのが今回の取り組み経過です。
主な裾野市のデータは次のとおりです。
裾野市の気象状況:平均気温14.8℃(最高36.3℃・最低-4.9℃)、平均湿度74.5%、降水量1,724㎜、標高78.5m~2,169m(耕作エリアは、850m)
裾野市の農家の状況:農家戸数1,136戸、うち専業農家65戸。平均農家年令70.2歳、60%が自給的農家
作付面積:水稲160ha、芝300ha、野菜類30ha、花卉類6ha。(2010年農林業センサス)
上記の内容からもほとんど裾野市の農業は、芝の生産に力を入れていた状況が分かります。全作付面積のうち1/5にあたる181haの農地が耕作放棄地との状況であり、裾野市の第4次総合計画でも重点プロジェクトで6次産業化の推進をうたい、薬草栽培の振興を図るとしているとのことでした。
さて、ここからは、現地レポートです。
事業を展開しているのは、裾野市の須山地区、近隣には温泉施設のヘルシーパーク、梅林の「梅の里」、市が管理している「菜の花、コスモスエリア」があり、そのすぐ横に富士を見ながらドライブ出来ると言う「パノラマロード」が走っています。
事業地の広さは、3,475㎡、標高470m地点。
写真には、フェンスが写っていますが、シカ除けネットが施されていました。・・・シカの害を想定。
上記は、雑草が生えるのを防ぐマルチを張った薬草畑の様子です。
上記は、マルチを張らずに栽培している畑です。
栽培しているのは、三島柴胡(ミシマサイコ)という薬草で、根を太らせて使い、胃薬や風邪薬として重宝されているようです(e-yakusou.comより抜粋)文献では、花が9月~10月に開花するが、6月ごろに伸びる花茎を切って花が咲かないようにすることで根を太らせるようです。
根の状態は、上記写真のような感じでした。今年の実験では、苗を植える時期が2週間ほど遅れたとのことで、文献による花茎が見当たりませんでした。
裾野市では、今後5年ほどかけて試験栽培を実施して行くとのことです。
ちなみに、実際に事業をしているのは、須山東富士農事組合の組合員の方々ですが、裾野市は、施肥などの土壌改良を始め、資材費、薬剤費及び薬草試験栽培交付金の50万円などの支援を行っています。
今回の試験用地も上記のとうな芝の生産用地であったことから土壌改良にかなり手間取った経過があり、今年度上手く成長するかどうか分かりませんが、薬草は、2年ほどかけて成長させるのが通例であり、次年度に期待がかかります。
なお、引き取り先は、某薬品メーカーに引き取ってもらうようです。
三田市では、肥沃な農地が広がっていますので、土壌改良する手間はかかりませんが、裾野市と同様鳥獣害に悩まされている土地柄です。
気候の違う三田でミシマサイコが育つのかについては、試験栽培を三田でも事業を始めるか、比較的引き取り価格の高い薬草を調査することも必要になります。三田の農業を発展させて行くのは、こうした行政と農家の方々の積極的な取り組みが切っ掛けになることだけは、間違いなさそうです。
後先が逆になるのですが、まずは、三田市でも関わりの深い農業に関する報告から・・・・。
裾野市は、人口5万3千人、静岡県の東部、富士山の南東に位置。
市域は、138k㎡と三田市の約2/3の面積。当日は曇っていて富士山を拝むことができませんでしたが、天気が良いと市内からは当たり前のように富士山が見え、市の広報も「世界遺産 富士山」「すそのブランド」など、風光明媚なまちとしてPRに余念がありません。
さて、私たちが裾野市に視察に入った目的は、1月の地元紙に「薬草特産化へ試験栽培、耕作放棄地を活用」の記事が掲載され、目に留まったこと。
会派では、三田市でも農業者の高齢化率の上昇とともに耕作放棄地が徐々に広がりつつある現状を踏まえ、薬草栽培に関しての調査に行かせていただきました。
(裾野市役所近くの農産物販売所)
裾野市での耕作放棄地というと芝の産地(約300haが作付面積)でこれまでかなりの生産量を誇ってきましたが、バブルの崩壊とともに芝の需要が減ったため、芝畑をそのまま放置(芝刈り程度の管理)する生産農家が増加してきていると言う課題に直面し、これをなんとか克服するために試験的に芝畑を改良して「薬草栽培」を実施したのが今回の取り組み経過です。
主な裾野市のデータは次のとおりです。
裾野市の気象状況:平均気温14.8℃(最高36.3℃・最低-4.9℃)、平均湿度74.5%、降水量1,724㎜、標高78.5m~2,169m(耕作エリアは、850m)
裾野市の農家の状況:農家戸数1,136戸、うち専業農家65戸。平均農家年令70.2歳、60%が自給的農家
作付面積:水稲160ha、芝300ha、野菜類30ha、花卉類6ha。(2010年農林業センサス)
上記の内容からもほとんど裾野市の農業は、芝の生産に力を入れていた状況が分かります。全作付面積のうち1/5にあたる181haの農地が耕作放棄地との状況であり、裾野市の第4次総合計画でも重点プロジェクトで6次産業化の推進をうたい、薬草栽培の振興を図るとしているとのことでした。
さて、ここからは、現地レポートです。
事業を展開しているのは、裾野市の須山地区、近隣には温泉施設のヘルシーパーク、梅林の「梅の里」、市が管理している「菜の花、コスモスエリア」があり、そのすぐ横に富士を見ながらドライブ出来ると言う「パノラマロード」が走っています。
事業地の広さは、3,475㎡、標高470m地点。
写真には、フェンスが写っていますが、シカ除けネットが施されていました。・・・シカの害を想定。
上記は、雑草が生えるのを防ぐマルチを張った薬草畑の様子です。
上記は、マルチを張らずに栽培している畑です。
栽培しているのは、三島柴胡(ミシマサイコ)という薬草で、根を太らせて使い、胃薬や風邪薬として重宝されているようです(e-yakusou.comより抜粋)文献では、花が9月~10月に開花するが、6月ごろに伸びる花茎を切って花が咲かないようにすることで根を太らせるようです。
根の状態は、上記写真のような感じでした。今年の実験では、苗を植える時期が2週間ほど遅れたとのことで、文献による花茎が見当たりませんでした。
裾野市では、今後5年ほどかけて試験栽培を実施して行くとのことです。
ちなみに、実際に事業をしているのは、須山東富士農事組合の組合員の方々ですが、裾野市は、施肥などの土壌改良を始め、資材費、薬剤費及び薬草試験栽培交付金の50万円などの支援を行っています。
今回の試験用地も上記のとうな芝の生産用地であったことから土壌改良にかなり手間取った経過があり、今年度上手く成長するかどうか分かりませんが、薬草は、2年ほどかけて成長させるのが通例であり、次年度に期待がかかります。
なお、引き取り先は、某薬品メーカーに引き取ってもらうようです。
三田市では、肥沃な農地が広がっていますので、土壌改良する手間はかかりませんが、裾野市と同様鳥獣害に悩まされている土地柄です。
気候の違う三田でミシマサイコが育つのかについては、試験栽培を三田でも事業を始めるか、比較的引き取り価格の高い薬草を調査することも必要になります。三田の農業を発展させて行くのは、こうした行政と農家の方々の積極的な取り組みが切っ掛けになることだけは、間違いなさそうです。