これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

もし500億円あったら

2010年01月21日 20時20分52秒 | エッセイ
 エッセイ教室1月場所のお題は、「500億円あったら何につかうか」だった。
 ファーストクラスや豪華客船を利用した海外旅行をするなら、家族3人で1回1000万円としても、5000回行かねばならない。また、都心の一等地に、5億円の豪邸が100軒建てられる金額でもある。欲しいものを全部買うとしても、所詮、庶民の身に使い切れる額ではない。
 さて、あなただったら、何に使おうと思うだろうか。

 先日、私は10年ぶりにケンタッキーフライドチキンに入った。
「食べたことがないから行ってみたい」という娘にリクエストされたのだ。娘は「美味しい」と喜んでチキンやビスケットを平らげ、私はチキンフィレサンドを食べた。
 久しぶりのチキンフィレサンド。かつて、月に一度はいただき、大好物だったものである。ふわふわのパンに挟まれた、ジューシーでスパイシーなチキン。骨もなく、手も汚れず、レタスとの相性抜群の逸品である。ひと口食べて、私は昔の感動を思い出した。

 そうだ、500億円の使い道は、日本国民全員にチキンフィレサンドを支給することにしよう!

 いわば、形を変えた定額給付金である。
 統計局による平成21年7月現在のわが国の人口は、約1億2755万8千人だから、1個380円のチキンフィレサンドに支出する金額は484億7200万円だ。
「チキンフィレサンドよりも辛旨チキンサンドのほうがいい」とか「和風チキンカツサンドにしてほしい」などと言う要望は一切受け付けない。値段が同じでも、伝統と実績に裏付けられたこの味が一番である。
 チキンフィレサンド人気から政界に進出し、一躍、時の人になってしまうかもしれない。ゆくゆくは笹木内閣が誕生し、支持率の下がった鳩山内閣に取って替わる可能性もある。
 妄想そのものの、こんな話をエッセイにした。

 エッセイを読んだ姉が、厳しい質問をぶつけてきた
「でもさぁ、たかがチキンフィレサンドを1個もらっただけで、国民は生活の向上を実感できるものかしら」

 ううっ、痛いところを突かれた!!

 私はひと呼吸置いて口を開く。
「……できないと思う」
「そうよね。やっぱり、ポテトもつけなきゃ!」

 ガクッ。

 一応、15億2796万円が残る計算となるが、1人あたり約12円しかない。
「無理。ポテトのお金はない……」
「ダメじゃん。同じ380円なら、私は吉野家の牛丼(並)の引換券にするな~」
 ふむふむ、それも国民にウケそうだ。
 
 読者のみなさま、笹木内閣発足の暁には閣僚としてお迎えいたしますので、いましばらくお待ちください。
 場合によっては、一生お待ちいただくことをご了承願います……。

 毎度のアクセス、ありがとうございます!
 おかげさまで、本日の更新をもちまして、200作目のエッセイとなりました♪
 ブログ開始より640日目にあたりますが、この先も続けていかれますよう、ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。




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コメント (20)
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