これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

家庭内箱根駅伝

2010年01月03日 21時39分15秒 | エッセイ
 あけましておめでとうございます。

 我が家では、毎年1月2日・3日に行われる箱根駅伝を楽しみにしている。
 昨日の往路は、車で移動している時間と重なり、残念なことに結果しか見られなかった。
 気になるのは、まず自分の出身大学だ。
 インターネットの速報を見ていた夫に聞くと、すぐに教えてくれた。
「専修大学は17位だって」
 
 ガクッ!

 予選会を勝ち抜いて箱根に出場できたのだから、それだけでも大したものだが、いざ本番となると欲が出て、上位になることを期待するものである。私はおそるおそる、次の質問をした。
「で、日体は?」
 日本体育大学出身の夫は、勝ち誇ったように答えた。
「うん、3位だったよ」

 キーッ、悔しい!!

 戦うのは選手なのだが、夫の大学に負けていると思うと、何とも面白くない。胸の中が唐草模様になったような、モヤモヤした感情が生まれてきた。
 そのとき、中央大学出身の友人、コンドウからメールが来た。
「箱根駅伝は往路4位と、まずまず」
 コンドウに恨みはないが、「チッ」と舌打ちしたい気分となり、私の唐草模様はさらに広がった。
「日体大が3位で、夫がご機嫌だから気に入らないわぁ」と返信すると、「打倒日体大で、復路は中大応援して」と返ってきた。私はクスッと笑ったあとに、心の中で「してあげないよーだ」と毒づいた。

 そして今日は、勝負の決まる復路であった。
 朝食のあと、テレビをつけた夫が心配そうな声で、何やらつぶやいている。
「あれ? どこにいるんだろう……」
 トップの東洋大から、駒大、山梨学院大、中大と映っても、日体大は一向に画面に登場しない。「日本体育大学」と書かれたのぼりが、ハタハタと風に揺れているだけだ。
「何だよ、10位かよ!」
 復路3位でスタートした日体大は、いつの間にやら10位に陥落していたのだった。
 私とコンドウのやり取りは、勝負のゆくえにまったく関係ないはずなのに、打倒日体大が実現されていたことに驚いた。
「もう、今日は見ないでいい」
 夫は一気に不機嫌となり、チャンネルを他局に回してしまった。

 あのぅ、専大は??

 せめて最後くらいはと思ったのか、夫は1時過ぎから再び箱根駅伝を見始めた。
 ちょうど10区で、東洋大の高見選手ばかりがクローズアップされている。ようやく映った日体大は依然として10位、そして専大はさらに後ろだった。
 出身大学でなくても、ゴールの瞬間は絶対に見たい。東洋が華々しくゴールを決めた場面では、こちらも笑顔になった。4位中大ゴールシーンには、コンドウも拍手を送ったことだろう。
「あっ、来た来た!」
 見ると、10位日体大が、9位明治大を激しく追い上げていた。
「抜け! 抜け!」
 夫の応援が聞こえたように、日体大が明治大を抜いて9位に浮上した。いずれにせよ、来年のシード権は確実だ。
 夫はそこで見るのをやめてしまったが、私は専大がゴールするまでテレビにかじりついていた。15番目で爽やかにゴールしたが、総合順位はやはり17位だった。来年は、また予選会で頑張ってもらいたい。

 選手のみなさん、お疲れ様でした。
 見ごたえのあるドラマを、どうもありがとうございました。



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コメント (20)
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