4カ月ぶりで母に会った。
「このベスト着る? いいと思ったら、若向きだったんだよ」
母は、ビニールに包まれたままの黒いベストを取り出し、私に勧めた。
「ベスト?」
チョッキ、と言われなくてよかった。
70歳の母が好むデザインは、たいてい私の好みではない。野暮ったかったり、肌触りが悪かったりで、結局はこっそり捨てる破目になる。だが、涼しい秋は、チョ……ではなくベストが欲しくなる。部屋着にする分には、地味でも問題ない。役に立つ予感がしたので、私はお礼を言って受け取った。
ひとまず、袋から出し、タンスにしまっておく。
「寒ッ」
今日は、東京でも半袖ではいられないほど、気温が低かった。久しぶりに、長袖のTシャツを出す。それでも、肩のあたりが冷える感じがした。
そうだ、あのベストを着よう!
意外に早く、出番がやってくるものだ。早速タンスから取り出し、Tシャツの上に重ねてみた。
結構かわいい。
そして、肩も背中もポカポカして、安心感が生まれてくる。これは気に入った。
母に感謝である。
おそらく、母は裾のフリフリを「年甲斐もない」と感じたのではないだろうか。でも、おばあさんが着ても悪くない気がする。思い切って着てみれば、気持ちが若返ってよかったかもしれない。
今度、母にお返しとして、明るい色でフリフリなしの服をプレゼントしてみよう。
年寄り染みた固定観念から解放され、あと20年は元気でいてほしい。
今度は妹に、「砂希からもらったんだけど、着てくれない?」なんて言ってたりして……。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「このベスト着る? いいと思ったら、若向きだったんだよ」
母は、ビニールに包まれたままの黒いベストを取り出し、私に勧めた。
「ベスト?」
チョッキ、と言われなくてよかった。
70歳の母が好むデザインは、たいてい私の好みではない。野暮ったかったり、肌触りが悪かったりで、結局はこっそり捨てる破目になる。だが、涼しい秋は、チョ……ではなくベストが欲しくなる。部屋着にする分には、地味でも問題ない。役に立つ予感がしたので、私はお礼を言って受け取った。
ひとまず、袋から出し、タンスにしまっておく。
「寒ッ」
今日は、東京でも半袖ではいられないほど、気温が低かった。久しぶりに、長袖のTシャツを出す。それでも、肩のあたりが冷える感じがした。
そうだ、あのベストを着よう!
意外に早く、出番がやってくるものだ。早速タンスから取り出し、Tシャツの上に重ねてみた。
結構かわいい。
そして、肩も背中もポカポカして、安心感が生まれてくる。これは気に入った。
母に感謝である。
おそらく、母は裾のフリフリを「年甲斐もない」と感じたのではないだろうか。でも、おばあさんが着ても悪くない気がする。思い切って着てみれば、気持ちが若返ってよかったかもしれない。
今度、母にお返しとして、明るい色でフリフリなしの服をプレゼントしてみよう。
年寄り染みた固定観念から解放され、あと20年は元気でいてほしい。
今度は妹に、「砂希からもらったんだけど、着てくれない?」なんて言ってたりして……。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)