大き目のバッグを持っていると、荷物が多くなっていけない。
職場と往復するだけでも、お弁当に化粧品、手帳、本、財布、定期、折りたたみ傘、タオルにティッシュなどが入り、かなり膨らんで重い。
しかし、中には身軽な人もいる。
「あ、笹木さん、今帰るところ? 僕もなんだよね。じゃあ、一緒に行きましょう」
ダウンジャケットを着た井川氏と、玄関で合流した。しかし、彼はペットボトルを1本持っているだけで、他には持ち物がない。
「手ぶらなんですか?」
不思議に思って尋ねてみた。
「うん、カバンは持たない主義。だって、財布は上着の内ポケットに入るでしょ。定期は反対のポケットに入れてるし」
彼は襟元を広げ、財布の場所を指さした。まあ、男性はそうかもしれない。
「お弁当は?」
「うちのカミさん、僕が出かけてから起きるもん。作ってくれないよ。いつもパンを買ってる」
「じゃあ、朝はパンの袋を持っているとか」
「それがね、パンは上着の外ポケットに入っちゃう。2個買って、左右に1個ずつ入れてるんだ」
これには、ちょっと驚いた。
「満員電車でつぶれたらどうするんですか?」
「いや、つぶれたことない。へーき、へーき」
そういうものだろうか。
さらにしつこく聞いてみる。
「電車の中で本を読んだりしないんですか」
私はてっきり、パンと一緒に文庫本をしのばせているのだと予想したのだが、そうではなかった。
「あ、僕はね、新聞なんだ。片道90分かかるから、隅から隅まで読めるんだよ」
「さすがに、新聞はポケットに入りませんよね」
「そう。だから別のところに入れてる」
井川氏は背中を向け、ダウンジャケットと上着をめくってベルトを見せた。ズボンとワイシャツの間には、なんと4つ折りにされた新聞紙がはさまっていた。
ここまで徹底して「手ぶら」を追求するとは恐れ入る。
自分と真逆のタイプが珍しくて、思わず感心した。
さすがに、ペットボトルは収納しきれなかったのかもしれない。
肩からさげられる、ペットボトルホルダーをプレゼントしようかしら。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
職場と往復するだけでも、お弁当に化粧品、手帳、本、財布、定期、折りたたみ傘、タオルにティッシュなどが入り、かなり膨らんで重い。
しかし、中には身軽な人もいる。
「あ、笹木さん、今帰るところ? 僕もなんだよね。じゃあ、一緒に行きましょう」
ダウンジャケットを着た井川氏と、玄関で合流した。しかし、彼はペットボトルを1本持っているだけで、他には持ち物がない。
「手ぶらなんですか?」
不思議に思って尋ねてみた。
「うん、カバンは持たない主義。だって、財布は上着の内ポケットに入るでしょ。定期は反対のポケットに入れてるし」
彼は襟元を広げ、財布の場所を指さした。まあ、男性はそうかもしれない。
「お弁当は?」
「うちのカミさん、僕が出かけてから起きるもん。作ってくれないよ。いつもパンを買ってる」
「じゃあ、朝はパンの袋を持っているとか」
「それがね、パンは上着の外ポケットに入っちゃう。2個買って、左右に1個ずつ入れてるんだ」
これには、ちょっと驚いた。
「満員電車でつぶれたらどうするんですか?」
「いや、つぶれたことない。へーき、へーき」
そういうものだろうか。
さらにしつこく聞いてみる。
「電車の中で本を読んだりしないんですか」
私はてっきり、パンと一緒に文庫本をしのばせているのだと予想したのだが、そうではなかった。
「あ、僕はね、新聞なんだ。片道90分かかるから、隅から隅まで読めるんだよ」
「さすがに、新聞はポケットに入りませんよね」
「そう。だから別のところに入れてる」
井川氏は背中を向け、ダウンジャケットと上着をめくってベルトを見せた。ズボンとワイシャツの間には、なんと4つ折りにされた新聞紙がはさまっていた。
ここまで徹底して「手ぶら」を追求するとは恐れ入る。
自分と真逆のタイプが珍しくて、思わず感心した。
さすがに、ペットボトルは収納しきれなかったのかもしれない。
肩からさげられる、ペットボトルホルダーをプレゼントしようかしら。
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