これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

ビール工場見学の心得

2016年09月04日 22時03分41秒 | エッセイ
 サントリー武蔵野ビール工場を見学してきた。
 ここは南武線分倍河原駅から徒歩圏にある。親切なことに、無料のシャトルバスもあるから、気軽に出かけられていい。
「代表者の方は、こちらで受付をお願いします」
 受付ではいくつかの注意事項を守るよう確認される。見学後、車の運転をする場合の飲酒はできないとか、一度退館したあとのシャトルバス乗車はできないとか、ごく当たり前のことに見えたのだが……。
「係員との写真撮影やセクシャル・ハラスメントはおやめください」
 これには驚いた。
 試飲時にはアルコールが入る。おそらく、過去には酒癖の悪い、けしからぬ客がいたのだろう。最初に釘を刺すことで、大きな効果が期待できるのかもしれない。
 さて、見学では美味しいビールの作り方を教えてくれる。
 まずは水。どこぞのフランス料理店でも言っていたが、同じ食材を使っても、水によって仕上がる味が違うそうだ。サントリーは徹底して水にこだわる姿勢を前面に出している。武蔵野工場の美味しい地下水をくみ上げ、東京ドーム8個分に相当する大きな敷地で、せっせとビールを作っていた。
 その水を温め、砕いた麦芽を加える。



「これが麦芽です。ちょっと食べてみてください」



 おつまみのナッツ類に近い歯ごたえだが、淡白な味がする。これがビールの素となるとは興味深い。
 麦芽中のでんぷんが糖に分解されたら、ホップを加えて煮沸し麦汁を作る。



 ここに麦汁が入っているらしい。



 それから発酵、貯酒、ろ過の工程を経て、黄金色の澄んだビールができるというわけだ。
 見どころは何といってもパッケージングだろう。
 酸化せぬ工夫をして缶にビールを詰める。



 蓋をしてコンベアーで運ばれていく。



 缶を箱に詰める。



 梱包をして、コンベアーの出口に向かっていく。



 製造過程を見学したあとは試飲会だ。



「試飲はお一人様3杯までとさせていただきます」
 時間にして20分くらいだろうか。思ったよりもグラスは大きい。ソフトドリンクをもらっている人もいた。
「最初の一杯はプレミアムモルツを召し上がっていただきますが、2杯目、3杯目は香るエール、マスターズドリームなどの飲み比べもなさってください」
 係のお姉さんが、ひときわ声のボリュームを上げる。ここが一番大事なところと心得ているらしい。



 行列はマスターズドリームに集中した。あの苦さがいいのだろうが、香るエールのフルーティーな味わいも捨てがたい。
 今まで、「ビールはギネスかキリンラガー」と公言してきたが、今後は改めなければいけないと頭をかいた。
「本日はありがとうございました」
 試飲タイムが終わり、帰る時間となったが、迷惑行為をする客はいなかった。やはり、最初に刺した釘は効果抜群のようだ。いい作戦である。
 すっかり満足してお土産を買う。



 プレモル、香るエール、マスターズドリームの飲み比べセットだ。
 これも、買わせる作戦なのだろうが、あえてはまった方が楽しい。


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コメント (8)
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