昨日、池袋西武に行った。用事があるのは8階だったが、ふと7階の催事場をのぞいてみようかと思いつく。
いわゆる「嗅覚」である。
何か掘り出し物があるかしら、と小さな期待を抱いて、下りエスカレーターに乗った。
「パリで味わう美食街道」
これが今回の催し物のテーマであった。その日はたまたま初日だったが、結構な人出ではないか。フランスパンやクロワッサンを販売しているショーケースの前には何人もの客が並び、活気が渦を巻いている。
フラッと歩いてみると、ワインありシャンパンあり、デリカテッセンにシュークリーム、チーズ、クレープ、チョコレートなどなど、欲しいものがいくつも並んでいて驚いた。パリの街並みには程遠いけれど、祭りの屋台の高級版といった感じで、賑やかさが心を浮き立たせる。
「ちょっと待って、案内図、案内図」
これは全体像を確認した方がいいようだ。チラシと会場案内図をゲットし、座れる場所を探す。
「ワイン&シャンパンバー」
キラリと目が光った。決してダイヤモンドではなく、割れた牛乳瓶の破片のような輝きであったが、ここらで作戦タイムを取った方がよさそうだ。600円で飲めるグラスシャンパンを頼み、じっくりチラシを眺めた。
「今回はトリュフに焦点を当てているのか。トリュフオムレツにトリュフスープ。美味しそうだな」
次に、いつ、これを食べようかと画策する。展示は19日まで。時間がたつにつれて混みそうな雰囲気だから、連休の前がよさそうだ。
というわけで、今日は夫と娘を連れて、催事場で夕飯をすませることにした。
「ル カフェ ドゥ ジョエル・ロブションだって!『フォアグラとパルメザンチーズのリゾット トリュフとともに』ってヤツは外せないね」
3人でチラシの写真に顔を寄せる。これが一番美味しそうだ。
「でも、このトリュフオムレツも美味しそうだから、先にこっちを食べて、次にフォアグラでいいんじゃない」
「そうだね、そうしよう」
待つこと十分。アルチザン・ド・ラ・トリュフの「トリュフオムレツ」がお目見えした。
「わあっ、すごい! いい香り」
香りだけではない。濃厚なマッシュルームソースがオムレツに絡み、トリュフと並走しているのだ。二人三脚の美味しさで、あっというまに平らげた。
夫は足りなかったらしく、トリュフピッツァも注文していた。
こちらは、ピザ生地にも価値がある。サクサクで見事な仕上がりなのだ。
「でもさあ、何でパリなのにピザなの?」
「知らん」
それから、本命のフォアグラをいただく計画だったが、予定外のことが起きた。
「えっ、SOLD OUTだって」
「うっそ~」
何と、一番食べたかった料理はすでに売り切れていた。これでは腹の虫が収まらず、胃袋の隙間に詰め込むものはないかと、スリのような目つきで会場内を探して回った。
「ここはどう?」
ブイヤベースカレーなるものを見つけ、「ウホウホ♪」と店内に乱入した。
魚介類のうまみが凝縮されたようなカレーであった。味は相当上のランクであるが、見た目が寂しい。ボイルしたエビでも載せて、もっと盛ればいいと思うのだが。
夫はピザでお腹いっぱいになり、ここではアイス最中を頼んでいた。
人のものを見て、自分も欲しくなる。母からはよく「見るもの乞食」と言われたが、今でも変わらないようだ。冷たいデザートなら、ユーゴ・アンド・ヴィクトールの「チョコレートソフトクリーム」がいいだろう。
ビターで甘さ控えめのチョコが、口の中で香ばしく広がり、「食べたっ」と実感する味に仕上がっている。無言で食べた。
「あー、満足満足」
3人して、重たくなったお腹を抱え、家に向かってえっちらおっちら歩き始めた。
普段からすれ違いの多い家族だが、食べ物が絡むと急に仲良くなる。
さて、次は何のイベントが待っているのかな。
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
いわゆる「嗅覚」である。
何か掘り出し物があるかしら、と小さな期待を抱いて、下りエスカレーターに乗った。
「パリで味わう美食街道」
これが今回の催し物のテーマであった。その日はたまたま初日だったが、結構な人出ではないか。フランスパンやクロワッサンを販売しているショーケースの前には何人もの客が並び、活気が渦を巻いている。
フラッと歩いてみると、ワインありシャンパンあり、デリカテッセンにシュークリーム、チーズ、クレープ、チョコレートなどなど、欲しいものがいくつも並んでいて驚いた。パリの街並みには程遠いけれど、祭りの屋台の高級版といった感じで、賑やかさが心を浮き立たせる。
「ちょっと待って、案内図、案内図」
これは全体像を確認した方がいいようだ。チラシと会場案内図をゲットし、座れる場所を探す。
「ワイン&シャンパンバー」
キラリと目が光った。決してダイヤモンドではなく、割れた牛乳瓶の破片のような輝きであったが、ここらで作戦タイムを取った方がよさそうだ。600円で飲めるグラスシャンパンを頼み、じっくりチラシを眺めた。
「今回はトリュフに焦点を当てているのか。トリュフオムレツにトリュフスープ。美味しそうだな」
次に、いつ、これを食べようかと画策する。展示は19日まで。時間がたつにつれて混みそうな雰囲気だから、連休の前がよさそうだ。
というわけで、今日は夫と娘を連れて、催事場で夕飯をすませることにした。
「ル カフェ ドゥ ジョエル・ロブションだって!『フォアグラとパルメザンチーズのリゾット トリュフとともに』ってヤツは外せないね」
3人でチラシの写真に顔を寄せる。これが一番美味しそうだ。
「でも、このトリュフオムレツも美味しそうだから、先にこっちを食べて、次にフォアグラでいいんじゃない」
「そうだね、そうしよう」
待つこと十分。アルチザン・ド・ラ・トリュフの「トリュフオムレツ」がお目見えした。
「わあっ、すごい! いい香り」
香りだけではない。濃厚なマッシュルームソースがオムレツに絡み、トリュフと並走しているのだ。二人三脚の美味しさで、あっというまに平らげた。
夫は足りなかったらしく、トリュフピッツァも注文していた。
こちらは、ピザ生地にも価値がある。サクサクで見事な仕上がりなのだ。
「でもさあ、何でパリなのにピザなの?」
「知らん」
それから、本命のフォアグラをいただく計画だったが、予定外のことが起きた。
「えっ、SOLD OUTだって」
「うっそ~」
何と、一番食べたかった料理はすでに売り切れていた。これでは腹の虫が収まらず、胃袋の隙間に詰め込むものはないかと、スリのような目つきで会場内を探して回った。
「ここはどう?」
ブイヤベースカレーなるものを見つけ、「ウホウホ♪」と店内に乱入した。
魚介類のうまみが凝縮されたようなカレーであった。味は相当上のランクであるが、見た目が寂しい。ボイルしたエビでも載せて、もっと盛ればいいと思うのだが。
夫はピザでお腹いっぱいになり、ここではアイス最中を頼んでいた。
人のものを見て、自分も欲しくなる。母からはよく「見るもの乞食」と言われたが、今でも変わらないようだ。冷たいデザートなら、ユーゴ・アンド・ヴィクトールの「チョコレートソフトクリーム」がいいだろう。
ビターで甘さ控えめのチョコが、口の中で香ばしく広がり、「食べたっ」と実感する味に仕上がっている。無言で食べた。
「あー、満足満足」
3人して、重たくなったお腹を抱え、家に向かってえっちらおっちら歩き始めた。
普段からすれ違いの多い家族だが、食べ物が絡むと急に仲良くなる。
さて、次は何のイベントが待っているのかな。
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