かつてはバレンタインに備え、1月中にはデパートの特設コーナーに足を運び、楽しみながらユニークなチョコレートを選んだものだった。
しかし、コロナ禍で一変し、チョコごときで買い物に出かけるなどもってのほか、と思うようになった。コロナが明けてからも売り場を歩くのが面倒で、サボリが日常化している。
「生協で頼めばいいもんね~」
個別配達してくれるパルシステムが私の強い味方だ。カタログからチョコを選び、注文用紙に数量を書くだけで、バレンタインデーの一週間前に届く仕組みになっている。六花亭やロイズの商品もあるので、職場での義理チョコにも重宝する。
今年、家には3000円台の大物チョコ1個とロイズのポテトチップチョコレート、六花亭のストロベリーチョコ、モロゾフのトリュフなどを注文した。
ただし、困ったこともある。生協の荷物を受け取るのは、夫本人なのだ。まあ、専業主夫なので仕方ない。毎週火曜日に、玉子や牛乳、ヨーグルトなどが届くのだが、チョコレートも一緒に発泡スチロールの中に入っている。どんなに鈍い男性でも、Valentine's Dayの文字の入った包装紙に包まれた箱を見れば、「これは俺用なのでは」と気づくに違いない。
そのチョコを、夫は何食わぬ顔で廊下に積み上げ、2月14日が来るまでジッと待っているのである。よく考えると変な話だ。
「いっそのこと、バレンタインを待たず、届いた日に渡してしまった方がいいのでは……」
そんな思いもあったが、忙しい毎日ですっかり忘れていた。隠すでもなく、平然と廊下の置かれたチョコは、やがて見慣れた景色と化していた。デリカシーや気配りはどこに行ったのかと、自分でも疑問を感じつつ、ようやくバレンタインデーの夜を迎えた。
「パパ、チョコレートどうぞ」
「ありがとう」
何と白けたやり取りだろう。サプライズなんてものは1ミリもない。
とりあえず、廊下の荷物が少し減ったという安堵感はあった。
一番の大物は、京都にあるフランス屋製菓のこちら。
開けてビックリ。色的に、バレンタインデーというよりクリスマスみたいだ。赤はミルク、茶はビター、緑は抹茶で白はホワイトだった。どれも甘さ控えめで食べやすい。
トリュフは私の好きなチョコの一つで、中のとろける甘みが病みつきになる。
今年は姉からデメルの猫ラベルもいただき、食べきれないほどの量になった。
そして3日後の昨日、私もおやつに食べようとして、コソコソ箱を開けたら、チョコが全然減っていないではないか。クリスマスカラーは相変わらず底が見えないし、トリュフは全部揃っている。ポテトチップにいたっては箱すら未開封だった。心配になって夫に確認をする。
「あれえ、食べないの?」
「えっ、食べてるよ。フランス屋のを毎日4個ずつ」
そうか、数が多すぎて、食べても食べても変化が見られないだけだったのか。一瞬、「来年は買わなくていいや」と心の中で舌を出したのだが、そういうわけにもいかなさそうだ。
自分が食べたくて買った、ポテトチップチョコに手を伸ばす。
「これ、開けるよ」
「うん」
トリュフにも遠慮なく手を出した。我が家はまあまあ生存競争が激しい。うかうかしていると全部食べられちゃうのだから。
さて、来年はどうしよう。
せめて、スーパーで買い、クローゼットに押し込めるぐらいはしようかな。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
しかし、コロナ禍で一変し、チョコごときで買い物に出かけるなどもってのほか、と思うようになった。コロナが明けてからも売り場を歩くのが面倒で、サボリが日常化している。
「生協で頼めばいいもんね~」
個別配達してくれるパルシステムが私の強い味方だ。カタログからチョコを選び、注文用紙に数量を書くだけで、バレンタインデーの一週間前に届く仕組みになっている。六花亭やロイズの商品もあるので、職場での義理チョコにも重宝する。
今年、家には3000円台の大物チョコ1個とロイズのポテトチップチョコレート、六花亭のストロベリーチョコ、モロゾフのトリュフなどを注文した。
ただし、困ったこともある。生協の荷物を受け取るのは、夫本人なのだ。まあ、専業主夫なので仕方ない。毎週火曜日に、玉子や牛乳、ヨーグルトなどが届くのだが、チョコレートも一緒に発泡スチロールの中に入っている。どんなに鈍い男性でも、Valentine's Dayの文字の入った包装紙に包まれた箱を見れば、「これは俺用なのでは」と気づくに違いない。
そのチョコを、夫は何食わぬ顔で廊下に積み上げ、2月14日が来るまでジッと待っているのである。よく考えると変な話だ。
「いっそのこと、バレンタインを待たず、届いた日に渡してしまった方がいいのでは……」
そんな思いもあったが、忙しい毎日ですっかり忘れていた。隠すでもなく、平然と廊下の置かれたチョコは、やがて見慣れた景色と化していた。デリカシーや気配りはどこに行ったのかと、自分でも疑問を感じつつ、ようやくバレンタインデーの夜を迎えた。
「パパ、チョコレートどうぞ」
「ありがとう」
何と白けたやり取りだろう。サプライズなんてものは1ミリもない。
とりあえず、廊下の荷物が少し減ったという安堵感はあった。
一番の大物は、京都にあるフランス屋製菓のこちら。
開けてビックリ。色的に、バレンタインデーというよりクリスマスみたいだ。赤はミルク、茶はビター、緑は抹茶で白はホワイトだった。どれも甘さ控えめで食べやすい。
トリュフは私の好きなチョコの一つで、中のとろける甘みが病みつきになる。
今年は姉からデメルの猫ラベルもいただき、食べきれないほどの量になった。
そして3日後の昨日、私もおやつに食べようとして、コソコソ箱を開けたら、チョコが全然減っていないではないか。クリスマスカラーは相変わらず底が見えないし、トリュフは全部揃っている。ポテトチップにいたっては箱すら未開封だった。心配になって夫に確認をする。
「あれえ、食べないの?」
「えっ、食べてるよ。フランス屋のを毎日4個ずつ」
そうか、数が多すぎて、食べても食べても変化が見られないだけだったのか。一瞬、「来年は買わなくていいや」と心の中で舌を出したのだが、そういうわけにもいかなさそうだ。
自分が食べたくて買った、ポテトチップチョコに手を伸ばす。
「これ、開けるよ」
「うん」
トリュフにも遠慮なく手を出した。我が家はまあまあ生存競争が激しい。うかうかしていると全部食べられちゃうのだから。
さて、来年はどうしよう。
せめて、スーパーで買い、クローゼットに押し込めるぐらいはしようかな。
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まぁ私で言うお酒の写真みたいなものなんでしょうね
とりあえず歯磨きは忘れないように~
今更なのですが、私の勘違いなのかお嬢様って以前独立なさったような...最近あれ?またいっらっしゃるってふと思う時があります。私の勘違いならお許しを~
あれ...認知症って遺伝するのかなぁ
トリュフ大好き。
ロイズのポテチョコは、気をつけないと手が止まりませんね。
習慣化してときめきもなくても、楽しければ良きですね。
よく覚えていますね!
娘は一年ぐらい一人暮らしをしていましたが、戻ってきました。
私も夫も一人暮らしの経験がないというのに。
缶のチョコはやっと底が見えてきました。
歯みがきは意識して丁寧に(笑)
食べすぎ注意ですね。
今回はさすがに雑過ぎると思いました。
もうちょっとロマンが必要です。
来年でいいとしても、選ぶ側の楽しみが足りなかったと反省しています。
ポテトチップチョコの美味しさは突出していますね。
季節外れの暑さで、溶けないように気を付けないと!
いろいろ食べて、やはりトリュフが一番だったのではと思います。
この2週間でデブってしまいました。
今週は体が軽くなるように動きます!