この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

秋の大虐殺まつりだった『イコライザー THE FINAL』。

2023-10-07 20:29:33 | 新作映画
 デンゼル・ワシントン主演、アントワン・フークア監督、『イコライザー THE FINAL』、10/7、イオンシネマ福岡にて鑑賞(月イチクーポンにて鑑賞料金1200円)。2023年40本目。

 前作に比べスケールダウンしていると一部で不評な『イコライザー2』が好きです。
 続編が前作に比べスケールアップしなければいけないのであれば、そのうちマッコールはたった一人でアメリカ陸軍と戦わなければならないでしょう。
 それじゃ『イコライザー』ではなく、『ランボー』だよ、って言いたくなります。

 『イコライザー2』の、道を踏み外したかつての仲間たちにマッコールが死刑宣告をするシーンは何度見てもゾクゾクします。
 この男だけは怒らせてはいけないと思わせる迫力がこの時のマッコールにはあります。
 逆に言えばマッコールはギリギリまで相手に選択肢を与えるキャラクターなのだと思っていました。
 しかし、、、本作のマッコールがそういうキャラクターなのか、今一つ自信が持てなくなりました。

 冒頭、シチリアのワイン醸造所でマッコールが武装した男たちを血祭りにあげます。
 マッコールがそうするのにはそれなりの理由があるのだろうと思いますし、実際男たちはそれなりの悪党ではあるのですが、後半になってマッコールが次のようなセリフを口にします。
 奴らがしていたことは知らなかった、と。
 実はマッコールは詐欺で騙し取られたお金を取り戻しに行っただけだったのです。
 いやいやいや。
 お金を取り戻しに行って、そこにいる連中を皆殺しにする?
 それはちょっと、、、自分の描くマッコール像的にありえないんだけど。

 ありえないといえば、そもそもマッコールはどうやって詐欺の元締めがそのワイン醸造所にいるってわかったんですかね?
 マッコールはハッキングの達人だった?
 彼がパソコンを扱っているシーンなんて作中一切ないんですけど。

 もう一つありえないと思ったのが、マッコールがチンピラたちを始末するシーンですね。
 まるで旧友と再会した時のようににこやかに笑いながらチンピラを始末していくんです。
 マッコールってこういうキャラクターだったっけ、と思わずにはいられませんでした。

 まぁ他にもいろいろツッコミどころはありました。
 こんなことでCIAのエージェントがわざわざイタリアまで来るはずがないだろうとか、いくら何でも街の人たちがマッコールを受け入れ過ぎだろうとか、そういうことですが、やっぱり一番モヤモヤしたのは自分の中のマッコール像と本作のそれの微妙な差異ですね。
 でもそれも自分が彼のことを自分好みのキャラクターに仕立てたかっただけなのかもしれません。
 考えてみればパート1でも彼はロシアマフィアを壊滅させてますからね。
 壊滅させたということは構成員を皆殺しにしたということに他ならず、その具体的な描写がなかったからといって、それがなかったということにはならないですからね。

 最後にもう一つ。
 この作品の邦題は『イコライザー THE FINAL』です。
 「THE FINAL」とつくからにはこの作品がシリーズ最終章だと思うじゃないですか。
 でも原題は『The Equalizer 3』ですし、内容も別に最終章を思わせるものではないんですよ。
 もし『The Equalizer 4』が製作されることになったら日本の配給会社はどうするつもりなんですかね?
 まぁ日本の配給会社も邦題を『イコライザー THE FINAL』にするってことをアメリカの製作会社に伝えてあるだろうし、製作会社がそれにOKしたのであれば、それはつまり『The Equalizer 4』が製作されることはないってことなのかもしれませんが…。
 
 お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 温泉目当てで由布院(別府)... | トップ | 忘年会のご予定は? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

新作映画」カテゴリの最新記事