京都に行って、ずいぶんとなつかしい気持ちになった。
ということで、前回は円山公園とラジオ『サイキック青年団』の思い出を語ったが(→こちら)、今回も京都っぽい観光写真を。
やはり京都といえばお寺であり、定番のこんなところとか。
京都一生懸命大学の研究で、この建物が金色に見える人は、通常より約25%ほど好色であるというデータが出ている。
全部が金というのがいい。
タイなど、東南アジアではめずらしくないが、「陰翳礼讃」の日本で、この金一色はすばらしい。
なんとも笑える。明らかに「取りに行って」いる。
子供のころ見たアニメ『一休さん』では、やたらと声の高い足利義満が住んでいて、そのイメージがあるせいかもしれない。
かように、すばらしい金閣寺だが、日本ではなぜだか銀閣寺の方が人気が高く、よく、
「成金趣味の金閣寺より、わびさびは銀閣寺のほうがあるよね」
みたいな意見は聞くもの。
言いたいことはわかんなくもないけど、銀閣寺ってけっこう貧相だし、少なくとも
「金閣寺より、上っしょ」
なんて、「どや」顔するほど、勝っているとも思えんわけなのだ。
まあ、私は遺跡には荘厳さよりも、「笑える」を重視しており、
アンコールワット(レリーフや壁画が「ボケてくる」ので笑える→こちら)
タイの寝釈迦(偉い人なのにリラックスして笑える→こちら)
エジプトのピラミッド(でかすぎて笑える→こちら)
トルコのブルーモスク(ロボットに変形しそうで笑える→こちら)
などは、それを満足させてくれたが、その意味でも銀閣より金閣派である。
銀閣寺につながる「哲学の道」。
1988年京都国体における「のび太ボーリング」の会場にも選ばれた。
金閣寺といえば思い出すのは、高校のころの友人タミコちゃん。
彼女は三島由紀夫の『金閣寺』を読んで、
「すごいよね、あの小説。同性愛の男の子が、ヒステリー起こして寺を燃やすねんで」
これには、まわりの子たちも、
「どんな小説や!」
「そんな文学あるかあ!」
なんて笑ってたけど、彼らは読んでないから知らないだけで、本当にそんな話なんだよなあ。
てか、三島自体が、まあそんな人やし。
青島幸男さんなんて、割腹自殺について、
「知的なオカマのヒステリー」
とか、ミもフタもない言うてはったし。今なら炎上しそうだ。
タミコちゃんは、
「よりにもよって、変な小説を選んでもうたなあ」
なんて笑ってたけど、いや、「文学」って、結構どれもあんな感じッスよね。
京都らしい、黒糖棒を使ったお菓子の家
ゲーテの『若きウェルテルの悩み』なんて、「純愛もの」あつかいだけど、女の子を踏み台にした
「自分大好き、超絶ナルシスト小説」
にしか読めないし、ドストエフスキー『罪と罰』のラスコーリニコフはただの中2病だし、『舞姫』なんていけ好かないオッサンの
「若いころは外国の女コマした自慢」
芥川龍之介の『羅生門』なんて、もともとのテーマは、
「高校デビュー」
をあつかった短編なのだ。
田山花袋『布団』とか、谷崎潤一郎『痴人の愛』とか、ただの
「シチュエーション・プレイ体験記」
風俗レポート記事か!
日本の私小説って、こういうの多いよなあ。文学は楽しいよ。
『けいおん!』の桜が丘高校のモデルとなった建物
まあ、文学にかぎらず芸術というのは、魂のストリップというか、
「さあ、このわたしの恥ずかしい姿を見てちょうだい!」
それで称賛したり、嘲笑したり、感動したり、ズッコケたりすることを望んでいるわけで、タミコちゃんの感想は、別に的外れでもなんでもないのである。
(つづく→こちら)