ミドリ色の屋根は永遠に~René Simardに首ったけ~

ルネ・ファンのルネ・ファンによるルネ・ファンのためのルネ・ブログ シマ姉のルネ・データ・バンク

ルネと”世界は俺が回してる”

2010年05月23日 | ミドリ色の屋根
 2009年12月23日発売のCD「世界は俺が回してる なかにし礼は、先に発売された同名小説のイメージ・サウンドトラックとして作られたものでした。
 小説の方は、東京音楽祭を世界的なイベントとして成功させ、音楽と女性に人生を賭けた元TBSのプロデューサー渡辺正文の波乱万丈の生きざまを当時の音楽とシンクロさせながら描いたなかにし礼の最新小説です。ルネ・シマールがグランプリとフランク・シナトラ賞を獲得した第3回世界大会を含む東京音楽祭のエピソードも書かれています。 今回は、小説の中から抜粋され、CDの小冊子に掲載された第3回東京音楽祭世界大会のエピソードのみを紹介いたします。もし、この記事を見て、小説の方を読みたいと思われた方がいらっしゃいましたら、是非お読みになってください。第1回からの東京音楽祭の裏話が興味深いですよ!


世界は俺が回してる ~ なかにし礼
2009年12月18日発売
単行本: 429ページ  定価1,890円
出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング)

♪wikipediaなかにし礼
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AA%E3%81%8B%E3%81%AB%E3%81%97%E7%A4%BC
♪なかにし礼 年表
http://www.nakanishi-rei.com/bio.html

伝説的仕事はいかにして成されたか?
 わがまま、厚顔無恥、破廉恥---。
 それでも、彼とその仕事は輝いていた。
 高度成長期、生まれたばかりのテレビ業界に飛び込んだ
 ”ギョロナベ”の奇跡を描く、痛快な長編小説。

昭和30年代、黎明期のテレビ業界に身を投じた一人の男がいた。
 己のセンスだけを信じ、音楽番組制作にすべてを賭けた彼の名は渡辺正文、通称「ギョロナベ」。剛腕プロデューサーはやがて、未曾有の大イベント「東京音楽祭」を成功へと導く。テレビ黄金期を駆け抜けた破天荒な男を通し、全ての日本人にエールを贈る、なかにし礼の新たな代表作!


 ▲グランプリ受賞後「ミドリ色の屋根」を歌うルネ・シマールと特別ゲストのシャーリー・パッシー

  
▲金賞受賞のザ・スリー・ディグリーズ(上段)
 銀賞受賞のブレダ・ペイン(下段左)とマリー・トラヴァース(下段右)



 イメージ・サウンドトラックCDの小冊子に掲載された小説本文とルネについての紹介は次のとおりです。
 
▲PassionSimardより

ルネ(1961/2/28~)は、カナダのポップス歌手。1971年にカナダでレコードデビュー。この「ミドリ色の屋根」は日本でのデビュー曲でオリコン最高位3位の大ヒット。


 昭和49(1974)年6月30日、東京音楽祭世界大会が帝国劇場で開催された。
 [中略]
 下手の舞台袖を歩いていると、川添象郎とばったり会った。
「ナベさん、ルネ・シマールに大賞おくれよ」
「そんなの無理に決まってるだろう。なんてったってスリー・ディグリーズの『天使のささやき』は圧巻だぜ。やつらがグランプリをとらなくて誰がとるんだい」
「でもさ、スリー・ディグリーズがグランプリをとったって別に誰も驚きやしないけどさ、一夜にしてスターが誕生したら大ニュースじゃないか」
 川添象郎がカナダの少年スターに目をつけ、モントリオールまで直談判に行き、その承諾を取り、日本でカラオケを作り、それを持ってモントリオールへ行ってレコーディングし、それをソニーレコードから発売するに至ったことは知ていた。プロデューサーである象郎の熱意は分かるけれど、12歳の少年が大賞に輝く場面はどうしても想像できなかった。
「象太郎、そんな夢は見ないほうがいいと思うよ」
「そうかなあ。そんな奇跡は起きるもんじゃなくて、起こすもんだと思うけどなあ」
「そんなもの、起きねえよ」
 ところがである。全歌手のパフォーマンスが終わって、審査員室へ行ってみると、審査員たちの意見がスリー・ディグリーズを推す組とルネ・シマールを推す組とに大きく二分していた。
 正文はスリー・ディグリーズ派であり、フランク・シナトラも当然そうであると思い、
「この際、特別審査員のシナトラさんに決めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか」
 みな賛成であった。
 が、シナトラは意外なことを言った。
「私はまずフランク・シナトラ賞をルネ・シマールにさし上げたいと思います。したがって、グランプリはルネ・シマールがふさわしいと思います」
 審査員たちがどっと拍手した。
 司会の三木鮎郎がこれを発表した時、会場は大喝采であり、『ミドリ色の屋根』(さいとう大三作詩、村井邦彦作曲)を泣きながら歌うルネ少年の肩をシナトラがそっと抱きしめた時など、正文までが泣きそうになった。
「ナベさん、少年の魔法が奇跡を起こしたんですよ」
 象郎はにこにこしている。
 正文は、象太郎にしてやられたと思った。が、東京音楽祭は大成功であった。(第4章より)


♪YouTube”RENÉ SIMARD AU FESTIVAL DE TOKYO ”
http://www.youtube.com/watch?v=ULaO-R6V_K0
♪YouTube”Rene Simard - Million Dollar Baby”
http://www.youtube.com/watch?v=yHY1BuKrat4&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=V_VVZqGeGtw


♪スリー・ディグリーズ(1963~)はアメリカのソウル・コーラスグループ。3人の女性メンバーは、現在まで12人入れ替わっている。1970年代のディスコブームでヒット曲を次々と放った。この「天使のささやき」は、シングルチャートで、アメリカは最高位2位、イギリスは1位を獲得。
http://music.yahoo.co.jp/artist/dtl/AAA447512/

♪YouTube”The Three Degrees - When Will I See You Again 1978”
http://www.youtube.com/watch?v=B7sfs4gWI0E&feature=related


天使のささやき(日本語)/スリー・ディグリーズ
When Will I See You Again/The Three Degrees
作詞・作曲:Kenneth Gamble、Leon Huff
日本語詞:白井章生 1974年

On precious moments

みずいろの朝
あなたに抱かれて
めざめた私
すべては今 美しい

からみつく風
素肌にうけとめ
※天使のささやき
 私は今 聞いている
 愛こそすべて
 愛こそすべて…

※くりかえし

優しい私のあの人…




       ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

 私はスリー・ディグリーズの「天使のささやき」も大好きで、現在も実家にこのシングル・レコードを所有しています。このCDにこの曲も収録されているというので楽しみにしていましたが、何と日本語で歌った方! こちらは初めて聴くのでちょっとびっくりでした。

 この情報を寄せてくださったmixiのコミュニティー「ミドリ色の屋根のルネ・シマール」のメンバーsalhikoさん、本当にありがとうございました♪

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする