創作小説屋

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ある平凡な主婦の、少しの追憶④

2007年05月29日 11時41分44秒 | ある平凡な主婦の、少しの追憶(一部R18)
特に何ってことではなかったんだけど、
自分の結婚式までに、上京する機会は今回が最後だから、
会えたらいいなと思ったんだ。
勝手な言い分でゴメン。

っていうのが、私の断りメールに対する彼からのメールだった。

特に何ってことではない、ってさ。
会えたらいいな、だってさ。
・・・・。

やっぱり、どうにかして会いにいけないかな・・・。
でも、そんなのダメだよね・・・。

ぐるぐるぐるぐる頭の中を回ってたけど、
結局何をすることもなく、土曜日になってしまった。

土曜日の朝、夫は出かけていった。
子供達と過ごす、いつもの休日。

せめて、電話だけでもしてみようかな。
でも・・・。

携帯に表示された彼の名前とにらめっこしながら、
頭の中をぐるぐるぐるぐる・・・。

「ママ~、電話ちょうだい!」
「え?」

止める間もなく、娘が携帯をいじりはじめた。

「プルルル~だって」
「え?!」

あわてて取り上げて、電話を切る。
発信記録を見て、血の気が引いた。

彼にかかってしまったんだ!!

ど、どうしよう・・・。
いや、すぐ切ったから、ほんの一秒くらいのことだから、向こうにはかかっていないかも・・・。

おろおろする間もなく・・・手元の電話が鳴った。

ディスプレイ表示は・・・彼だった。
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