単なるやおいです。やまなし・おちなし・いみなしです。自己満足です。
BLのR18です。大丈夫な方だけどうぞ。
基本情報。
渋谷慶:浪人1年目。身長164cm。中性的で美しい容姿だけど性格は男らしい。
桜井浩介:大学1年。身長176cm。見た目ごくごく普通。優しそう。
この2人、1回目は高校2年生のバレンタイン頃。2回目は高校3年の卒業間近。
なんですけど、二回ともびみょーーーな感じに終わってるんですね。
いや、そうでしょ。初めて同士がそんなサクサク上手にできるわけないでしょ?
結局うまく挿入できず、手でしておしまいですよ。(←身も蓋もない^^;)
と、いうことで。「R18・受攻試行」お送りします。慶視点です。浩介視点もそのうち書く。たぶん。
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『風のゆくえには~R18・受攻試行/慶視点』
ラブホテルに行こう、と浩介が言いだした。
何でも、大学で同じ講義を取っている奴で、人妻と付き合っている奴がいて、そいつの話によると、そこのラブホテルは誰にも会わずに出入りできるので安心だという。新しくて綺麗だけれど、他のホテルよりも若干高めで、しかも駅から離れているからか、わりと空いていることが多いらしい。
でも、そこのホテルに行こうとしたら、その道中でそいつに会っちゃうんじゃねーの?というと、そいつは平日の昼間にしか行かないから、そこを外せば大丈夫、とのこと。人妻だからその時間でしか行けないらしい。
しかし。浪人中のおれ……。
しかも医学部予備校は普通の予備校よりも授業料も高く……。自主的に小遣い減額を申し出たため、現在財政的に非常に厳しい状況にある。
そんなおれの財布状況を知っている浩介、「おれ、バイトはじめたから全額出せる」と……。
それもなんだかなーって感じだったんだけど、結局、今年は浩介の言葉に甘えることにして、来年おれも大学生になったら(なれたら?!)、おれがおごり返すってことで話はついた。
と、いうことで、初ラブホテル……。
本当に大丈夫か心配だったので、一応、おれは男女兼用な感じのパーカーを着て、フードもかぶって、浩介の腕にしっかりしがみついて下を向いて入ってみた。
……本当に大丈夫だった。
ホテルの入口を入ると、でかでかと各部屋の写真の載ったパネルがあって、そこから部屋を選んでボタンを押したらカードが出てきた。それがカギ代わりになっているらしい。それを部屋のドアに差し込んだら入室できて、入ったら自動でドアが閉まった。出るときにそこの横の自動販売機みたいな機械にお金を入れないと鍵が開かないしくみになっているようだ。
「すごい。本当に誰にも会わなかったな……」
「でも嬉しかった~♪」
語尾に♪がついている浩介。
「嬉しいって?」
「だって、慶と腕組んで歩いたことなんてないじゃん♪」
「……そういやそうだな」
でも今は春だからパーカーでいいけど、夏暑くなったら無理だな。そうしたら帽子とかかな。でも、顔よりもむしろ体のラインが出ないような服を着ないとってことだよな……。
おれがブツブツブツブツいっていたら、
「ごめんね。慶ばっかり」
後ろから、むぎゅーっと抱きしめられた。顔が熱くなる。そうだ。これから……
「なあ……ホントにやんの?」
「どっちでもいいよ?」
「え」
振り返ると、にこりとした浩介。
「おれはこうやって、人目を気にせずベタベタできれば充分♪」
「………。今まで散々人前でも抱きついたりしてきたじゃんお前」
「でもさすがにキスはしてないよ?」
すばやく頬にキスされ、思わず笑ってしまう。
「確かにな」
「でしょ?」
手を差し出され、きゅっと手をつなぐ。それだけでも充分嬉しい。
「ちょっと探検しようよ」
浩介に促され、手を繋いだまま広い室内を見て回る。確かに新しくて綺麗。大きなベットの横の壁にはなぜか大きな鏡。枕元のこれは……ラジオ? あと時計?目覚まし? 冷蔵庫の中には横向きにジュースやお酒。これは有料。でも無料で飲める紅茶とお茶のセットもある。
洗面台も広めでキレイ。ちゃんとドライヤーとか歯磨きのセットとかもある。普通のホテルと変わらない。お風呂も……
「広っ!」
二人で入っても余裕の湯船。ああ、大きな鏡があるから余計に広く見えるのか……。
「………すげえな」
「ねえ……」
ひとしきり感心したあと、ベッドの部屋に戻ってきた。ベッドの端に二人で腰かける。
「布団ふかふか。新しいんだね」
「だな」
「おれ、ここでゴロゴロしてるだけでもいいなー」
えいっと浩介がベッドの真ん中に寝っ転がった。おれもその横にコロンと寝そべってみる。
真横に浩介の顔。ニコニコしてる。手が伸びてきて、髪を弄ばれる。愛おしくて胸がぎゅうっとなる。
ふと、前にやろうとした時のことを思い出して、思わずつぶやいた。
「前二回の敗因は、やっぱり時間的な問題が大きいと思うんだよな……」
「敗因って……」
浩介が苦笑いする。
「おれはすっごく気持ち良かったけど」
「あー……まー……そうだけど」
色々思いだしたら、恥ずかしくなってきた。
結局するのは諦めて、お互いを手でしたんだけど、自分でするのと違って新鮮で……。されながら、へえ浩介っていつもこうやってるんだ?とか思ったりして……って、何言ってんだおれ!
とにかく! やっぱり、できなかった以上、上手くいかなかった感は否めないわけで。
「高2の時も、急に家族が帰ってきたらどうしようってのが頭の片隅にあったし、こないだもやっぱり、お前の母さんがいつ買い物から戻ってくるかって思ったら……なあ?」
「うん。ホテルにきて大正解~。何の気兼ねもなくこうやってベタベタしていられるなんて夢みたい」
手を絡ませてつなぐ。体を寄せ、足も絡ませる。そっと唇を合わせる。
浩介がため息まじりに息をついた。自身を落ち着かせようとしているのが分かる。
これはやっぱり……。
「………なあ。やっぱりせっかくだからやってみねえ?」
「………え」
大きく瞬きをする浩介。その頬を軽くなでてやる。
「とりあえず、お前先な?」
「でも」
「こんなガッチガチになっておいて、でももくそもねえだろ」
ベルトを外してやろうとする手に浩介の手が重なった。
「慶……」
引き寄せられ、強く強く抱きしめられた。
**
「とりあえず、バック? 後背位っての?」
「慶の顔見ないと勃たないから無理」
「………なんだそりゃ」
「やっぱり、正常位」
「だから前にそれでダメだっただろ」
「あー……」
「まあ、今回は時間もあるからゆっくり試してみるか」
「うんうん」
だんだん、何かの実験みたいな感じになってきてる……。
スムーズに挿入できるためのジェル状のものを浩介にぬってやる。冷静に話してるのに萎えてない。
うーん……こんなのが入るのか? ……ホントに? 動悸が激しくなってきた……。
「痛かったらやめるから言って?」
「それ言ってたらいつまでたってもできねーだろ。痛いっていってもやめるな」
「…………わかった」
ぐっと足を押し広げられ……浩介のものがあてがわれた。
緊張がはしる。
前はほんのすこし先が入っただけで、おれが痛そうな顔をしたから、それ以上続けられなかったのだ。同じ轍は踏まない。なるべく普通の顔をする。
「入れるよ?」
「………」
こっくりうなずく。大きく息をはき、体の力をぬく。大丈夫大丈夫大丈夫……。
「!」
思わずビクッとなる。体の中に入ってくる熱いもの……。シーツを握りしめ、違和感に耐える。
「………慶」
「浩介?」
浩介、なんだかものすごい真面目な顔をしている。
心配かけないように、なるべく普通の顔で促す。
「大丈夫だから……ちゃんと……っ」
叫びそうになり、歯を食いしばった。体の真ん中が熱くなってくる。入ってくる。入ってくる、浩介が……。
「こ………」
「はい……った」
「………っ」
吐息のような浩介の声。
ゆっくり、ゆっくりと、遠慮がちに揺れる。そのたびにズズズ、ズズズと体の中で音がしている気がする。
「……慶。やばいよ、これ……」
「……なにが?」
「気持ちよすぎる」
「………うん」
正直、おれは違和感しかないし、体は、もうやめてくれと訴えている。
でも………
「つながってる……」
「うん……」
手を伸ばし、浩介の手と絡めて繋ぐ。
おれ達は今、つながっている……。
気持ちよすぎる、と言った言葉とは裏腹に、浩介は眉間にシワをよせたまま、腰を動かしている。突かれるたびに痛さでビクッとなる。
そうして幾度かのピストン運動が繰り返されたが……
「………え?」
いきなり違和感がなくなった。
「浩介?」
いったわけでもないのに、抜いてしまった浩介。
萎えたわけでもない。元気なままだ。なのに、どうして??
「どうした?」
「あー……うん」
おもむろに、浩介はジェルを手に取ると、おれのものに塗りはじめた。
「え、なに? なんだよ?」
「このままだといっちゃいそうだから。今度は慶の番」
「……別にいってからでもいいのに」
「いいからいいから」
優しく優しく触れられ、大きくなっていく。不思議な感じ。ジェルのぬるぬるもあって気持ちがいい……。
浩介は妙に嬉しそうな顔をして言った。
「じゃ、しよ? やっぱり正常位?」
「……無理じゃね?」
「え?」
きょとんとする浩介。
「どうして?」
「お前、さっきおれがしてた格好、してみ?」
「うん………、ててててっ」
やっぱりな……。これは体が柔らかくないとできないな、とさっき思ったんだ。
「お前、体固いからな……」
「いや、大丈夫。大丈夫だから……」
「大丈夫じゃねえだろ。入れる入れない以前の問題だ」
「うう……じゃあ……後背位」
「んー……」
後背位……四つん這いのところを後ろからってことだ。
なんだか冷静になってきていて、萎えそうなところ、頭を切り替える。
さっきの繋がっていた感を思い出す。そう。おれたちは一つになっていた。
「じゃあ……」
「うん」
四つん這いになった浩介の後ろに立ち、挿入を試みる。
先だけ入った時点で、浩介の身がビクッと震えた。下を向いているから表情はみえない。
「痛かったら言えよ?」
「それじゃ、いつまでたってもできないって、慶が言った……っ」
言葉にかぶせるように押し入れる。自分のものがぎゅううっと握られていくような感覚。
「うわ……」
確かに……今まで経験したことのない快感。すごい引き締まり……。
ゆっくりと腰をふる。刺激され、快楽に支配されそうになる。
……が。
いや……横の鏡を見たのがまずかった。
鏡に映った自分たちの姿が目に入り……
「犬の交尾みてえだな……」
思わず口にだして言ってしまったら、もう無理だった。
途端に、しゅううんっと萎えてしまい……続行不可能。浩介から引き抜いた。浩介が不思議そうに振り返る。
「どうしたの?」
「いや……なんかちょっと……犬の交尾、思い出しちゃってな」
「犬の交尾って」
浩介が呆気にとられた顔をしてから……ゲラゲラ笑いだした。
おれもつられて笑いだしてしまう。
「だって、犬の交尾っぽいだろー?」
「確かにね~~ちょっと動物的だよね」
「だろ? 鏡見なかったら気がつかなかったんだけどなー」
「なんで鏡なんてあるんだろうね?」
ふと、二人で鏡に映る自分たちをみる。裸の二人。冷静になってしまう。
「んーーー風呂でも入るか」
「そうだね。せっかく大きいお風呂だもんね」
ぴょんとベットから飛び降りる。
「慶、お風呂で続きする?」
「あーおれ、パス。もういいや。つか、無理。絶対思い出して勃たねー」
振り返って手を振ると、浩介が眉を寄せた。
「それはバックがでしょ? 普通にすればいいじゃん」
「お前、無理じゃん」
「えー大丈夫だよー」
「大丈夫じゃねーよ。そんなん言うならこれから毎日柔軟でもしとけ」
「う……分かった」
しょぼんとする浩介。なんかかわいい。愛おしさがつのって、やりたくなってきた。
「やっぱ続き、しようぜ?」
「え」
まだベッドに座ったままだった浩介の肩口を蹴り、寝っ転がらせる。
「次、騎乗位な」
「え」
有無を言わさずまたがると、途端に浩介のものが復活してきた。
「でも、慶……」
「でももくそもねーって言っただろ」
戸惑ったような浩介を押さえつけ、覚悟を決めて、挿入を試みる。
ゆっくりゆっくり……
「あ………」
浩介がビクッと震える。痛さをこらえてそのまま腰をおろし……、入り……きった。
「慶……」
一段と浩介のものがおれの中で大きくなる。
正直……さっきよりも……痛い。
でも………
「浩介………」
手を絡ませ、大好きなその名を呼ぶ。
痛くて動かせない。
これが痛くなくなる日なんてくるんだろうか、と甚だ疑問だけれども……
けれども、一つになっているという充実感で満たされている。
浩介がなぜか泣きそうな顔で言った。
「慶……ありがと」
「何が」
「何もかもが」
なんだそりゃ。
「変なやつ」
「ごめん」
繋がったまま笑い合う。こんなに満たされることなんてあるだろうか。
「そのままゆっくり起きあがってこい。ゆっくりな」
「んー……」
そろそろと起き上がらせると、案の定、抜けかけた。ギリギリで入れ直す。
「慶、痛くない……」
言いかけた浩介の唇に唇を合わせる。浩介が震える。
「ああ……」
繋いだ浩介の手がぎゅっとしまった。
「なんか……幸せすぎて死にそう」
「あほか。これでいちいち死んでたら、いくつ命あっても足んねーだろ」
あほな発言に、ごちんと頭をぶつけてやると、浩介が泣きそうな顔で笑った。
「………慶」
「これからいくらでも、何回でも何十回でも何百回でもやれるんだからさ」
愛おしさがあふれてくる。再度、深く深く唇を重ねる。
「また、来ような?」
「うん……」
これからいくらでも続く幸せ。
二人でいられるなら他には何もいらない。
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と、いうことで。慶パート終わり。
なんか長くなった……。
なかなか始めてくれないんだもん。
早くはじめなさいよ……とちょっと焦りました。
慶パートで書きたかったのは「犬の交尾みてえだな」でした。
次は浩介パート。
上記の話の浩介視点。なんか暗そうだなあ……。
時間かかりそう。
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