話は鯛焼き屋さんに戻って。
僕は5人くらいの列に並んで鯛焼きを二匹買ったんだけどね。
座敷の縁に座って、天然物をの鯛焼きを堪能している間に、来るわ来るわの大行列なんだね。あっという間に20人くらいの列になって、次から次へと人が入って来る。
あぁ、二匹買っておいて良かった。って思ったね。
この辺はお正月に鯛焼きを食べる風習があるのだろうか?と思ったんだけど、この店自体が九州発のチェーン店だからね、多分違う。みんな、ここの鯛焼きが大好きなようで・・・。
僕は鯛焼きを齧りながら見ているんだけど・・・。
あのね、すごいんだよね。おばちゃんが。どのおばちゃん?ってね。おばちゃんが何人かいるし、おじちゃんもいるし、若い男の子なんかもいるんだけどね。店員さんね。小さな店なのに10人くらいいるんだよ。焼く人とか、作る人とか、売る人とか、注文聞く人とか。
まぁ、分かりやすいのは接客担当のおばちゃんだよね。なんかすごいの。当たりがめっちゃ柔らかいの。
「鯛焼き六匹ください」ってお客さんが言うと、「六匹ですね、まぁ、たくさんお買い上げ頂いて、ほんまにありがとうございます、箱に詰めさせて頂きますね、ほんまにありがとうございます、今焼いている最中ですんで、少しお待ちくださいね」ってね。
まぁ、そんなに特別なことでもない風なんだけど、普通じゃないんだよね、込められている想いが。見てて、聞いてて分かるくらい。
カスタード目当てで来たお客さんもたくさんいて、今日は粒あんだけでの営業ですっておばちゃんが伝えるんだけど。それを聞いたお客さんの顔には一瞬落胆の色が浮かぶんだけど、おばちゃんの伝え方が絶妙でね、落胆の色は一瞬で消えちゃうの。多分、お客さんの方でこう想うんじゃないかな?あっ、落胆したらおばちゃんが困っちゃう!
まぁ、そんな感じで、そんなやり取りを観ているのが楽しくて、しばらくそこに居たんだけど・・・。
店内の雰囲気が良すぎて、どんなに行列していても、待たされても、イライラしている人が居ないんだな。
これはもう、商売の秘訣なんてもんじゃない。生きる上での秘訣みたいなものが詰まっている店なわけ。
笑顔と誠実さってやつだね。
鯛焼きの味が日本一なのかどうかは、僕には判断が付きかねるが、笑顔のサービスでは、間違いなく日本一!をあげたくなる、そんな鯛焼き屋さんだったのです。
おわり。
六花亭の話?ちょっと書くのが面倒になっちゃったから、察してね。察するより行くが易し。みんな、六花亭本店へいってみよう!
濡れねずみライダーにも優しくしてくれるんだよ。