ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

ちょう不憫な子供たち。

2015-04-23 19:12:39 | Weblog
つくづく思う。大人はいい。大人っていい。
何がいいって、車に乗れるのがいい。車を運転出来るってのがいい。
車に乗れると何がいいって、荷物を運べるのがいい。重い荷物を車で運べるってのがいい。

そんなの普通だろ?とお思いの貴兄、それはあなたが、アンプやドラムをチャリンコで運んだ事がないから、なのだよ。

昔のことなど、忘れてしまうし、忘れた。ほとんど忘れた。このブログに書いている人の名前や起こった出来事の80パーセントは、おぐちゃんとのメールのやり取りで教えてもらって思い出した。

その頃の僕たちを知っている人たちは、今でも僕たちのことをこう呼ぶ。

「リヤカーバンド」

遊び場兼タバコ吸い場兼バンドの練習場所のオンボロ物置を使用禁止にされた僕たちは、一気に自由を失ってしまった。
自由を失ったのは、まだいい。バンドの練習場所がない。溜まり場がない。
スタジオなんてない。電車で3駅先にあるけど遠い。金はない。

そこでおぐちゃんが目を付けたのが、町の公民館。きょうびの公民館には、ジジババのカラオケ教室なんてのをやっていて、その部屋は多少の防音設備が整っていたりする。町の人間は無料で使える。

問題は、防音設備がしてある部屋は、決してバンド用ではない。バンド用ではないということは、バンド用の設備はない。ということは、ドラムもアンプもないということだ。

僕らは、リヤカーに機材を載せて、公民館まで運んでいたそうだ。人から聞く話によると、そんなことだったそうだ。僕はよく覚えていない。

僕は、チャリンコの荷台にグヤトーンのアンプを載せていた。グヤトーンのアンプは結構大きい。載せて、手で押さえながら歩く。
僕のグレコのエレキギターはハードケースに入っていた。
右手でアンプがずれ落ちないように押さえながら、左手でチャリンコのハンドルを持ちつつ、エレキのハードケースを持ちつつ、エッチラオッチラ進むのである。
「ソフトケースが欲しい!そしたら肩から掛けられるのに!」というのが、その頃の僕の願いであった。


大人はいい。車に乗れる。アンプもドラムもハードケースも、車で運べる。

でも、子供もいい。そこには意志がある。なんだかよくわかんないけど、意志がある。

言い訳をしがちな毎日を送る貴兄に尋ねたい。
「そこに、意志はあるのかい?」

つづく。

くれぐれも、僕にはバレないように。

2015-04-23 02:49:20 | Weblog
二十年ぶりに、おぐちゃんから連絡が来た。という話は書いた。

連絡先など知るはずがないのに、いきなりメールが来たから驚いた。

僕の返信の第一声は、久しぶり!でも、元気?でもなく、「なんでアドレス知ってんの!!?怖いんだけどぉ!」という、フェイスブックもツイッターも存在しない時代の、女子高生みたいなものだった。

「ブログに書いてあったからさ」

それに対する僕の返信は、そっかそっか!でも、そういえば書いた!でもなく、「なんでおれのブログ知ってんの!怖いんだけどぉ!!」という、公衆便所の壁にに電話番号を書かれちゃった女子高生みたいなものだった。

「去年、シナロケの同窓会をやってさ。その時にセリさんがネットで検索して発見したんだよ」

それに対する僕の反応は、そうなんだぁ!安心したよ!でも、なるほどね、そういうことかぁ!でもなく、「シナロケの同窓会に・・・なんでオレが呼ばれないわけ?」という、微妙な人間関係の中の暗黙、触れてはいけないタブーにメスを入れる、無神経でケイワイな女子高生みたいなものだった。

「いや、シングの連絡先、誰も知らなかった」

いいんだよ、別に。呼ばれても、行く勇気と根性が無かっただろうから。
二十年ぶりの人間関係って、ちょっと怖くてビビる。


二十歳を過ぎた頃、地元の駅で中三の同級生とバッタリ会った。
「久しぶりぃ!」「元気?」「どうよ?」「何してんの?」とか、懐かしさと面倒臭さが混在してような会話をするわけなんだけど。

そいつが、言う。

「なんで同窓会来ないの?」

・・・えっ?

・・・同窓会って何?

・・・おれ、知らないけど・・・。

まぁ、言っちゃうね、僕は。パンドラの箱を開けるようにね。気まずさMAXになるのを承知でね。

「えっ?・・・そっか、そっか、じゃぁ、また!」
と、そいつは小走りに去っていった。

そういうやつだから呼ばれないんだよ、同窓会。知ってた?

つづく。