ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

僕の答と、君の答と。

2015-09-07 23:03:37 | Weblog
北海道の苫小牧といえば、マルトマ食堂である。言わずと知れた行列の出来る店である。

店員さんは、なぜか海鮮丼を勧めるのだが、見た所、海鮮丼にはマグロとかサーモンとかが乗っていたりして、なんとなく地場感が薄れるのだ。だって、苫小牧といえば、ホッキだから。マルトマといえば、生ホッキ貝だから。やっぱり生ホッキ丼を食べたいのだ。

そんでもって、ホッキ貝の生の美味しさを知ることになるのだが、北海道ならば、ホッキ貝などどこでも買えるのである。恐ろしく安い値段で、どこででも買えるのである。ホッキ貝なんて殻をぱかっと開けて、身をガバっと取り出して、包丁でチョンチョンチョンと身を刻んで、ご飯の上に乗せられるのである。生ホッキ丼なんて、自分でチャチャチャと出来てしまうという事に気づくのである。

それ以来、マルトマ食堂へは行っていない。
次に行ったら、店員さんお勧めの海鮮丼を食べるのである。たぶん。

最近、札幌人から苫小牧人になった人がいる。つまり、僕の札幌での宿が一つ消えてしまったわけである。それはそれで悲しいのかといわれると、そうでもない。だって、札幌は人も車も多いんだもん。しかも、札幌にはキタさんという人類史上ベスト10,000に入るであろうと思われる濃さを持つ人がいて、遊びに来い来いとうるさいので、それはそれで良いのである。

それよりも、苫小牧人の知り合いが出来たという事の方が嬉しいのである。なぜって、苫小牧にはフェリーターミナルがあるから。
苫小牧の港に降り立って、さて、今日はどこでテントを張るかな?と悩んだら、ケンちゃんとメグちゃんの家の庭にテントを張らせてもらおう!という具合になるってもんじゃないか。とかね。

苫小牧人になったメグちゃんからメールが来た。

「何か送ってあげるから欲しいものを言いなさい!しんぐのことだから、武士は食わねど高楊枝!なんて痩せ我慢してるんじゃないの?」と書いてあった。

この場を借りて発表させてもらうと、「武士は食わねど高楊枝」ってのは、僕の座右の銘なのである。ほんとに。あっ、もう農民になったから、「農民は野菜を食って高楊枝」になってしまって、なんか・・・かっこよくないなぁ。

新曲「不死身のライオン」の歌詞の中に、こんなくだりがある。

・・・お腹が減って力がでないけど、まぁなんとかなるかな、こんなピンチは100万回もあっからなぁ、まぁ、なんとかなるかなぁ、ガオ・・・

まさに、100万回、ピンチを乗り切って来たのである。ピンチの最中、いつもつぶやいていたのが、「武士は食わねど高楊枝」という言葉なのである。まさに、座右の銘、なのである。

僕は、好きぃなことだけをして生きているのである。僕は好きぃなことだけしかしないで生きているのである。
もちろん、その代償は大きいみたいなのである。ほとんどいつも、ほとんどお金がないのである。
お金なんてなくても全然問題ないのだが、お金がないと食べるものがない時が多々あって、それはまぁまぁな問題なのである。別にいいんだけど。

でも、お金のために、人生の大切な時間を台無しにするのは嫌だと思ってしまうタイプなのである。色々なモノを見て、色々な人と出会って、色々なことを知って、経験による価値観を築いていくことに価値を感じてしまうタイプなのである。

つまり、好きなことをしながら、「ひーひー」言っていたくないのである。好きなことをしているのだから「ニコニコ」していたいのである。どんなに苦しくても、ニコニコが信条なのである。そんじゃなければ、好きなことをする意味なんてないのである。辛いならやめればいい・・・簡単なことなのである。

ヨーロッパを旅した時、毎食20円のパンを食べていた。公園のベンチに座って、20円のパンばかりを食べていた。お金がなかったから。もう一生パンは食べないからな、と心に誓いながらパンを食べていた。
その代わり、ヨーロッパ中の絵を観ながら過ごした。パン50個分の入館料を払って、美術館や教会の絵画を観て回った。何万枚、何十万枚の絵画を観て回った。
うんざりしながらパンを食べていても、僕はニコニコしていたような気がする。
「うーん、パサパサ具合が昨日のパンとは違うなぁ」といった感じだろうか。
パンが嫌なら絵画を観ずに、パエリアを食べればいい。でも、僕はパエリアを食べない。パンを食べる。なぜなら、それが僕が選んだ選択肢なのだから。

畑を耕すってのは大変でね。腰が砕けそうに痛くなるし、汗の量は尋常じゃないし、「あぁ、辛い、あぁ、辛い、あぁ、苦しい、おれは陽気な小作人♬」という唄でも歌っていないとやっていられない代物なんだけど。
ヒーヒーゼーゼー言いながら、ブツブツ文句を言いながら、ドカっと腰を下ろして一息つくと、隣にいる小作仲間が僕に言う。

「嫌だったら辞めたらいいよ、誰も強制なんてしてないんだから」

はっ?誰が嫌だと言った?辛い、苦しい、やってらんねぇ!と言っただけだ。辞めないよ、だって楽しいもん。

これが僕の答だ。

嫌なことからはすぐに逃げる。これは僕の方針だ。嫌な場所に居続ける理由なんてない。
好きな場所にずっといたい。好きなことだけをしていたい。これが僕の方針だ。だって、人生は、長いようで短いんでしょ?

僕らは呆れるほどに、自由なんでしょ?
えっ?違うの?
僕は、心の底から、そう思っているんだけどね。

僕は、優しさに包まれながら生きている。
メグちゃんに感謝を込めて、この素晴らしき世界の夜と、今までの旅とこれからの旅を、心に刻む僕なのである。