乗船するなりシャワーを浴びて、シャワーが終った頃を見計らった様に船が動き出す。
何日ここにいたのか?多分今日が三十七日目だと思う。
あぁ、終わってしまうな。北の大地が離れていく。
長かったか短かったか・・・多分そのどちらでもない。そこに居た分の時間を存分に感じた。それはきっと、瞬間を生きたということなんじゃないか。
船がスピードを上げていく。分厚い雲が北の大地を覆っている。
充実感というものでもない。寂寥感というものでもない。
足りないものは何もない・・・ただ、そんな気がする。
今回の旅が教えてくれた一番大きなもの。
「僕はまだ何も知らないということ」
そう、僕はまだ何も知らない。またそれを知れたことが・・・何よりも嬉しい。
5:50発のフェリーに乗る為に、眠い目を擦りながらフェリーターミナルへ。
ギリギリに飛び込んで、受付で「間に合いますか?」と聞くと・・・
そんな時間のフェリーはありません
だってさ。それは古い時刻表ですだってさ。
古い時刻表をネットに載せたままにしとくんじゃねぇ!!!
二時間・・・暇つぶしだ。
最後まで・・・スローライフ。いいね、いいね。
朝から一生懸命走ったのに・・・
青函フェリーに連絡したら、時化でバイクは載せられないとのこと。行きの時もそうだった。時化てないってぇの。凪いでるってぇの。明日の朝までは確実にダメ。
もう一つ、津軽海峡フェリーがある。だがしかし、時間がうまいこと合わない。無駄に三時間も時間を潰すなんて・・・。
てことで、ビバーク。ちょっと寝て、フェリーに乗って、青森からまた走り出す。
380キロ。雨にも負けず頑張った。眠さに負けそうになりながら頑張った。
ちょっと眠ろう。
去年の旅の始まりの場所。函館、東大沼野営場。因縁めいたものを、感じないでもない。