祖父として孫の子育てに口を挟む事は極力しないように心掛けている
子育ては親の役目
子は親の鏡と言われる由縁だ
しかし、孫の行動について目に余る場合で、両親が居ない場合に限っては注意している
子供は親が居ないと自由な気持ちになりやりたい放題になる
それは自己中心的だったり、その行動が周囲にどのような迷惑を掛けるか考えないで行っている場合が殆どだ
夏休みに入って小学3年生の長男が行った行動は、リビングのソファーに楊枝を突刺して知らんぷり
それを婆が見付けた
私は暴力は振るわない
孫を呼び、ソファーに座るように言ったが当然長男は嫌だと答えた
何故嫌なのかを問うと楊枝が刺さっている事を白状した
幼い妹や弟がもし座ってやんどころない場所に刺さったら取り返しがつかなくなる
それを丁寧に順序立てて話しながら、事の善悪と本来兄としてとらねばならない姿を語った
彼の目には涙が溢れた
婆と一緒にソファーに刺さった楊枝を取り除き事なきを得た
暑い毎日、家にいる孫にとっては苦痛の一言だろう
冷たいものが欲しくなり冷蔵庫の製氷機から氷を取出して口に頬張る
ただし手掴みでだ
婆はそれを孫達に注意していた
ある日、製氷器の中が青く染まっていた
驚いた婆は中身を取出し洗剤で綺麗に洗い元の状態に戻した
青いものが何なのか解らないし、知らずに孫が口に入れたら大変だ
犯人は長男だった
youtubuで観た動画に食紅を使用した簡易的なアイスキャンディの紹介があり真似たようだ
ただ、食紅がどんなものか解らない彼はおそらく父親のインクを使ったのだろう
インクなどの色元には鉛などの有害金属が微量に使用されている場合がある
孫を呼出して話を良く聞いた
冷凍庫には色々な食物が包装されて入っているが、それは何故かを問うた
孫は中の食物が周囲のものに触れずに綺麗さを保つ為だと言うことを理解していた
そこで、製氷器の青色汚染のことと手掴みでの行為について再び問うた
彼は賢い子だ
理屈が解っていても、全てが同じだと未だ考えが及んでいないだけだった
つま楊枝の件も食紅の件も元はyoutubeの動画だ
幼い子供にただ面白いからと善悪に関係なく行われたものや大人の常識を前提にした内容なので、幼い子供は形だけ理解するので間違って当然だ
そんな経験を積重ね、正しい事を知らされずにそのまま成長してしまうから
バイト先の冷蔵庫の中に入り込んで写真や動画を上げるという非常識さが出てしまうのだ
彼は再び目に涙を溢れさせた
兄の行動を幼い妹や弟は真似をする
親に注意されなければ、それは正当な行為として認識される
子育てとはある意味恐ろしい
ただ、彼の姿を見て、私が幼い頃、父親の話を聞かされる度に泣いていた事を思い出す
その時、父親が何を語ったのか全く覚えていない
彼にとって昔の私と同じならば、私の接し方を改めねばならないと思う