マイクロソフト社は、PC用Windowsのサポート期間延長を決定したと、二月に発表しました。
昨年(2011年)11月5日に、「Windows Vistaが使えるのは後5カ月」と題したお話をしましたが、その後Microsoft社でコンシュマー(consumer:個人・家庭・一般消費者)向けエディションのWindows VistaとWindows 7のサポート期間について見直しの検討がなされ、企業向けエディションに提供されていた『延長サポート』をコンシュマー向けエディションにも提供するとしたものです。
先の「Windows Vistaが使えるのは後5カ月」でお話したように、正規版発売から約5年の『メインストリームサポート』終了後5年間の『延長サポート』は、企業向けエディションにのみ提供されるものでした。
Microsoft社のこの規定により、特別に『延長サポート』が提供されたXPとの間でサポート期間に“捻れ”が発生していました。 今回の、コンシュマー向けエディションにも『延長サポート』を提供するという、サポート方針の変更及び大幅な期間延長により、この“捻じれ”が解消され、XP、Vista、7の順に三世代のサポートが順序良く並ぶようになりました。
穿った言い方を敢えてするなら、Microsoft社がコンシュマー向けエディションのサポートを5年としたとき、既に米国の経済は悪化しており、現在も5年ごとにWindowsやPCを買い換えることができる人は僅かであること。また、二番手の購買地域である日本はデフレからの脱却が叶わず、可処分所得を圧縮する政策しか実現されないという、米国よりも悪い状況にあること。これらの市場の状況にMicrosoft社の経営陣が気付いた結果と言えるのではないでしょうか。
『メインストリームサポート』と『延長サポート』は次のような違いがあります。
延長サポートでは、メインストリームサポート期間に提供される、
①電話やメールによる無償サポート
②新機能・規格への対応や仕様変更
の二点が無くなります。
言い換えれば、延長サポートで残るのは、
①セキュリティ更新プログラムの配布
*ぜい弱性の修正*
②有償サポート
の二点です。
詳細については、Microsoft社のホームページで確認してください。
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【関連サイト】
Windows製品のサポート、ライフサイクルについて
(Microsoft Homepage)