私の本棚には、現在約400冊の本が入っています。単行本、文庫本、ノベル、小説、ビジネス書、ノウハウ本、コミックなど形態やジャンルは様々です。そして、これらの数倍の本を過去には手放し、処分してきました。今ある本も、将来的に手元に置いておくという保証はどこにもありません。
4月23日は『本の日』です。
『世界・本と著作権の日』と言う方が正しいのかも知れません。
『本の日』はわが国だけではなく、国際的に制定された記念日と言うことができると思います。
以下は、1995年11月のユネスコ(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization国際:連合教育科学文化機関)総会の公式訳文です。
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ユネスコ総会は、
本は歴史的に知識の普及に最も有力なファクターであるとともに、その保存に最も正確な手段であることを考慮し、
その結果、本のすべての普及促進活動が、本にアクセスするすべての人々を啓蒙するだけでなく、世界中の文化的伝統をより豊かに共有する認識を広め、また理解、寛容、対話にもとづく人々の行いを鼓舞することに鑑み、
本の普及促進に可能性をもつ最も効果的方法のひとつが、ユネスコ加盟国の数カ国の経験が示している通り、「本の日」の設置とそれに対応したブックフェアや展示会の同時開催であることを認識し、
さらにまた、この種の施策が国際的なレベルでこれまで採択されていなかったことに注目し、
本総会はミゲル・デ・セルヴァンテス、ウィリアム・シェイクスピア、およびインカ・ガルシラソ・デ・ラ・ヴェガが没した同じ日の4月23日を「世界・本と著作権の日」とする考えを採択し、ここに宣言することを勧告する。
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この、パリで開催されたユネスコ総会において、毎年4月23日を、「世界 本の日」とする宣言文が採択されたことによるもので、本の良さを再認識し、親近感を育むこと、読書、出版、著作権保護の促進を目的としています。
そして、4月23日とした根拠が、スペインで伝統的に本の日として祝われている、聖ゲオルギウス(セントジョージ)の祝日であるサン・ジョルディの日に着想を得(聖ゲオルギウス自体は本とは無関係)、
世界的、歴史的に著名な多くの文筆家の誕生日や命日であることに因むとしたことも興味深い観点です。
また、わが国では「子どもの読書活動の推進に関する法律」第10条で子ども読書の日に定められています。
<ユネスコの宣言書に引用された文学者の概要>
①ミゲル・デ・セルヴァンテス・サアベドラ
(Miguel de Cervantes Saavedra)
1547年9月29日-1616年4月23日
スペインの作家。
小説『ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』(Don Quijote de la Mancha)の著者として知られる。
②ウィリアム・シェイクスピア
(William Shakespeare)
1564年4月26日(洗礼日)-1616年4月23日
英国の劇作家、詩人。
最も優れた英文学の作家とも言われている。
四大悲劇「ハムレット」、「マクベス」、「オセロ」、「リア王」をはじめ、「ロミオとジュリエット」、「ヴェニスの商人」、「夏の夜の夢」、「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残した。
③インカ・ガルシラソ・デ・ラ・ヴェガ
(Inca Garcilaso de la Vega)
1539年-1616年4月23日
メスティソの歴史家、文筆家
ペルーに在住し、1561年にスペインに移った
父はペルーを征服したスペイン人のカピタン・ガルシラーソ・デ・ラ・ヴェガ。母はインカ王女のチンプ・オクリョ。
著書に「インカのフロリダ」、「インカ皇統記」、「ペルー征服史」、「ガルシ・ペレス・デ・バルガスの家系」「サン・イルデフォンソの説教に寄せたプロローグ」などがある。
【関連法規】
子どもの読書活動の推進に関する法律