2016年4月14日(木)21時26分頃に、熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード6.5、最大震度7(於;益城町)の地震が発生しました。更に、その28時間後の4月16日(土)1時25分頃に、同じく熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード7.3、最大震度6強(於;南阿蘇村、菊池市、大津町、宇城市、合志市、熊本市中央区・東区・西区など)の地震が発生しました。気象庁は同日、後者(16日未明)の地震が本震で、前者(14日)の地震は前震であったと考えられるとする見解を発表しました。これらの地震について、気象庁はそれぞれ別の名称を一時検討したようですが、18日の記者会見で気象庁の青木元・地震津波監視課長はこれらの地震をひとつのものとし、「平成28年(2016年)熊本地震」の名称は変更しない考えを示しました。
ところで、平成7(1995)年1月17日の阪神地域を中心とした地震・震災については、気象庁が地震名として「兵庫県南部地震」、政府が震災名として「阪神・淡路大震災」と命名しました。
それぞれの命名基準はあるのでしょうか。
気象庁では、ホームページの「よくある質問集」で次のように述べています。
気象庁では、顕著な大地震や豪雨などが発生した場合、名称を統一することにより応急対策活動等に資するとともに、将来に記録しておくべく資料として記憶に残すよう、災害を引き起こした地震等の「現象」について命名しています。
地震については、以下のような複数のおよその目安をもって、わかり易いように、「元号(西暦年)」と「震央地名」を用いるなどにより命名しています。
1.地震の規模が大きい場合
陸域: M7.0 以上(深さ100km 以浅)、かつ最大震度5 弱以上
海域: M7.5 以上(深さ100km 以浅)、かつ、最大震度5 弱以上または津波2m 以上
2.顕著な被害(全壊100棟程度以上など)が起きた場合
3.群発地震で被害が大きかった場合
など(詳細は気象庁のホームページをご参照ください。)
震災名は、政府閣議によって地震による災害についての名称をつけることがあります。この名称は閣議によって必要性が認められれば了承・決定され、発表されます。地震発生後、各メディアや組織・団体において名称は統一されておらず、さまざまな呼称が用いられています。政府や自治体が対応すべき災害の大きさによって、災害の名称がつけられることがあります。気象庁による地震名がついたもの全てに政府が震災名をつけているわけではないようです。災害に名称を付けて統一化を図り、情報に混乱が生じないようにしているようです。
今回の震災については、気象庁が名付けた『平成28年熊本地震』から、社会的に『熊本地震』という名称でこの震災を代表しているのではないかと思います。
震災名がつけられた明治以降の震災は以下の通りです。
2011年(平成23年)3月11日14時46分)
地震名:平成23年 東北地方太平洋沖地震
震災名: 東日本大震災;政府によって命名されるまでは、「東日本大震災」や「東北関東大震災」など区々の呼称が用いられていた。
1995年(平成7年)1月17日
地震名:平成7年 兵庫県南部地震
震災名: 阪神・淡路大震災;政府によって命名されるまでは、「阪神大震災」、「関西大震災」、「関西大地震」など区々の呼称が用いられていた。
1923年(大正12年)9月1日
地震名:関東地震
震災名:関東大震災
この地震の時には現在のような考え方が無く、自然発生的に「関東地震」・「関東大震災」といわれるようになったようだ。地震名について現在の気象庁のルールで考えるなら、「大正関東地震」或いは「大正12年関東地震」と言う風になろうかと思う。
【関係サイト】
○ 気象庁HP 「よくある質問集-地震について」
○ 「政府からのお知らせ」 熊本地震被災者の皆さまへ 政府応援情報
【関連記事】
○ 明治以降に起こった主な震災