今、西国三十三所霊場巡りがブームのようです。
京都、大阪、奈良、岐阜、兵庫、滋賀、和歌山の二府五県にまたがる観音菩薩を巡る旅だとのことです。
養老2年(718年)、大和国(現奈良県)長谷寺を開山した徳道上人が病で仮死状態になられた際、冥土で閻魔大王に会い、「生前の悪い行いによって地獄へ送られるものが多い故、観音の霊場へ参ることにより功徳が得られるよう、人々に観音菩薩の慈悲の心を説け」とのお告げを受け、起請文と宝印を授かって現世に戻され、その証拠でもってに人々観音信仰、及びその霊場へ参ることを勧められたとのことです。徳道上人が極楽往生の通行証となる宝印をお配りになったという場所は、観音菩薩が衆生を救うために示現された霊験所や寺院だったとのことです。
やがて観音霊場を巡る西国三十三所という信仰となり、西国三十三所は日本最古にして、巡礼の元祖となりました。
今年(2018年)は、養老2年の草創から1300年を迎えることになります。
「三十三」とは、『妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五』(観音経)に説かれる、観世音菩薩が衆生を救うとき33の姿に変化するという信仰に由来し、その功徳に与るために三十三の霊場を巡拝することを意味しています。
これを観音の普門示現(ふもんじげん)といいます。
普門示現の考え方から、六観音、七観音、十五尊観音、三十三観音など多様多種な別身を派生するに至りました。
このため、観音像には基本となる聖観音(しょうかんのん)の他、密教の教義により作られた、十一面観音、千手観音など、変化(へんげ)観音と呼ばれる様々な形の像があります。
阿弥陀如来の脇侍としての観音と異なり、独尊として信仰される観音菩薩は、現世利益的な信仰が強く、そのため、あらゆる人を救い、人々のあらゆる願いをかなえるという観点から、多面多臂の超人間的な姿に表されることが多くなっています。
西国三十三所の観音菩薩を巡礼参拝すると、現世で犯したあらゆる罪業が消滅し、極楽往生できるとされています。
宗教を信仰するしないではなく、私はいろんな宗教に興味はあり、信仰の対象等には興味を持っています。
今、ブームを形成している人達も、私と同様、無信仰の方も含め、信仰云々に拘わらず、霊場を巡ること、色んな観音菩薩を観ることに意義を感じているのではないでしょうか。
無信仰の私には、仏教の信仰行為を的確に理解することはできませんが、2015年(平成27年)11月22日、西の比叡山ともいわれている、西国27番札所の書写山・圓教寺に行きました。ここも西国三十三所霊場の一つとされています。女房の姉家族と主たる目的を紅葉狩りとして書写山を訪れたのですが、円教寺の荘厳さには圧倒されました。
2017年1月1日から2020年の事業終了まで、三十三所の寺院を尋ねると、『西国三十三所草創1300年記念の「特別印」』の授与を行っているようです。
【関係資料】
○ 西国三十三所礼所会」プレスリリース P1 P2 P3 P4
○ 西国三十三所 一覧表
【関係サイト】
○ 西国三十三所 巡礼の旅
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○ 書写山へ-もみじまつり