蛍光灯の2020年問題は「照明の2020年問題」と言い換えることができると思います。
照明の2020年問題は、省エネと水銀汚染防止の二つが大きなポイントとなっています。
対象となっている主な照明製品は、「蛍光灯」「水銀灯」「蛍光灯器具」です。
本当に蛍光灯や水銀灯などが無くなってしまうのでしょうか。
早速調べてみると、事業場(オフィス)の照明に大きな影響が出そうです。
2020年には市場に出回る照明は全てLEDとなり、2030年では蛍光灯や水銀灯の交換もできなくなります。2020年に蛍光灯が全く無くなるわけではありませんが、入手しにくい傾向になるのは間違いないでしょう。
一般社団法人日本照明工業会によると、LED照明の普及推進を踏まえて大手メーカーが次々と生産終了を発表しています。
2013年10月に水銀汚染防止のための国際条約「水銀に関する水俣条約」が締結され、2015年3月に「水銀による環境汚染の防止に関する法律」が閣議決定されました。これにより、2020年には水銀を使用することが大幅に規制されることになりました。具体的には、規制基準以上の水銀を使用している蛍光灯と水銀灯については、2020年12月31日以降製造が原則として禁止され、製品の輸出入も原則として禁止されます。
岩崎電気
蛍光灯器具 2018年9月に全製品生産終了
蛍光灯 2019年9月に全製品生産終了
三菱電機
蛍光灯器具 2019年3月に全製品生産終了
蛍光灯 直管形蛍光ランプ(普通型)・殺菌ランプ:2019年3月に生産終了
上記以外の蛍光ランプ:2021年3月に生産終了
パナソニック
蛍光灯器具 2019年3月に全製品生産終了
蛍光灯 生産終了時期は未発表
2020年を待たずに蛍光灯と蛍光灯器具の生産を終了するメーカーが多いようです。
一般社団法人日本照明工業会によると、加盟しているメーカーが製造する蛍光灯の水銀使用量は規制値よりも低いため、製造禁止や輸出入の規制は受けないそうです。
オフィス照明のLED化は2020年に向けて加速していきます。
新しいシステムに移行する直前は工事依頼が殺到し工賃が高騰する、手ごろな価格の製品が欠品してトータルの費用が当初の予算を上回る、工事日程が選べないなどの影響を受ける可能性が大きくなります。
オフィス照明は、社員が働く環境の基本となる重要な要素です。できるだけ早くLED化の道筋を立てて、早めの導入でコスト削減効果を享受しましょう。
【関係先】
〇 大塚商会 ソリューション・製品 役立つ総務マガジン<緊急解説>照明の2020年問題を探る