今年は閏年です。
「閏年」といえば、4年に1度巡ってくる年、オリンピック夏季大会が開催される年、通常は2月に28日までしかないのに29日まである年などとして覚えているものです。
では、少し“ぶった”言い方ではどのようになるのでしょうか?
閏年は、太陽暦では季節と暦のズレとを補正するために、平年より暦日が一つ多い。その追加された日や月を閏日・閏月、総称して閏と呼びます。これに対し、閏年ではない年を平年と呼びます。
太陽暦では、地球の自転と公転によるズレを修正し、季節に暦を一致させるため、暦年の平均の長さを平均回帰年(365.242 189 44日≒365日5時間48分45.168秒)になるべく一致させるようにしています。
その結果、平年は365日となり、4年毎の閏年は閏日が挿入されて366日となります。現在広く採用されているグレゴリオ暦では、閏年は400年間に97回あります。
日本における閏年の法的根拠
日本においては、閏年の判定は西暦ではなく皇紀(神武天皇即位紀元)によって行うことが法令(明治31年<西暦1898年>勅令第90号(閏年ニ関スル件))により定められ、現在に至っています。
明治三十一年勅令第九十号(閏年ニ関スル件・明治三十一年五月十一日勅令第九十号)
神武天皇即位紀元年数ノ四ヲ以テ整除シ得ヘキ年ヲ閏年トス
(神武天皇即位紀元年数<皇紀年数>を4で割って、割り切れる年を閏年とする。)
但シ紀元年数ヨリ六百六十ヲ減シテ百ヲ以テ整除シ得ヘキモノノ中更ニ四ヲ以テ商ヲ整除シ得サル年ハ平年トス
(ただし、皇紀年数から660を引くと100で割り切れる年で、かつ100で割った時の商が4で割り切れない年は平年とする。)
これは結果として、西暦年数から閏年を判定する方法と同じです。
西暦1582年ローマ法王グレゴリオ13世は暦から10日間を除き、現在私たちが使っているグレゴリオ暦をつくりました。
西暦1582年10月4日の次の日を10月15日にして、10日間を除いたのです。暦の上での操作ですから、みなし処理をきちんとすれば生年月日が無くなるような心配はありません。
グレゴリオ暦は400年に3日少なくなる工夫がされ、1年の平均は365.2425日で、1年が0.0003日多すぎます。
グレゴリオ暦では、次の規則に従って400年間に97回の閏年を設けています。
1.西暦年が4で割り切れる年は(原則として)閏年。
2.ただし、西暦年が100で割り切れる年は(原則として)平年。
3.ただし、西暦年が400で割り切れる年は必ず閏年。
グレゴリオ暦の場合、2月29日生まれの者の誕生日は4年に1度の閏年に限り到来し、平年に誕生日は存在しません。
このため、誕生日を基準に何かを行う場合は、平年ではその前後の日(2月28日か3月1日)を誕生日とみなす必要があります。
日本の法律では、誕生日を基準とした行政手続に限り「みなし誕生日」を2月28日としています。
いずれにしても2月29日生まれの人は、平年は2月28日、閏年は2月29日に誕生日祝いをしてもらうようになりますね。
閏年がいつかは、最初に提示したとおり、一般的には夏季オリンピックが開催される年などと覚えておく位でいいと思います。
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