「染まずただよふ」

・・・塾講師スミレの日記・・・

大変身

2012年06月29日 | 今日のお仕事 
今日は8年ぶりの卒塾生が顔を出してくれました。
とてもユニークで忘れられない生徒だったので
ずいぶん時間が経っていてもすぐにわかりました。

勉強はからっきしダメで、ものすごく手を焼かされましたが
運の良さと何に対しても物怖じしないガッツだけがとりえだった彼。
高校はなんとか合格したけれど、その後がすごく心配な生徒でした。
風の噂で、赤点を取りまくったものの高校をなんとか卒業して上京した…
というところまでは聞いていたのですが
なんと彼は今、東京で役者(のタマゴ)をやっているのだそう。

漢字をまともに読めなかった少年が、有名な文学作品をスラスラ語ったり
ちょっと難しめの四字熟語を使うのを聞いて感動してしまいました。
高校なんてどこでもいい、と投げやりだった少年が
将来を見据えて今何をやればいいか考えていることがわかって感心してしまいました。
人は夢中になれるものを見つけると変われるんだなあ。

「今はまだ役者で食べていけるような状態ではないけれど、
いろいろな人から声をかけてもらえて舞台に立てているので楽しいです。」
と、よどみなくまっすぐに語る様子に頼もしさを感じました。
苦労もしているんだろうけど、充実しているんだろうな。

この仕事をやっていると、ついテストの点数ですべてを語りたくなるけれど
改めて、学校の勉強ができることがすべてじゃない、と思ったし
この子はいったいどうなっちゃうんだろう、と思っていた生徒が
自分を生かせる道を見つけ、こんなに立派な青年になっていたことに感慨無量でした。
目指すゴールはまだまだ先なんだろうけど頑張ってほしいです。