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レ・ミゼラブル  4月27日プレビュー公演

2013年04月27日 23時53分00秒 | 観劇

観てきました。
取り急ぎ、セットや演出で気付いた事を書き留めてみました。
ネタバレしますので、楽しみにされている方はご承知願います。
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開演前のロビーや客席(1階席)を観ている限りは、普段通りのレミゼの公演と変わらない混雑でした。

客席に入ると、以前のレミゼとは様子が異なります。
まるで、シアター・イン・シアターのキャッツのように、上手・下手の張り出し部分に天井近くまでパリのセットが組まれています。
以前との大きな差は、
 盆がなくなったこと
 背景にプロジェクターで投影された映像が使用されたこと
が、大きく変わった点です。
さらに、展開が大ヒットした映画に近い感じです。

冒頭、映画のように船を囚人が漕いでいるところから始まります。
シーンによっては『壁抜け男』のように、大きな建物のセットが両袖から出てきて、リアルな雰囲気を感じさせます。
感覚的な部分が大きいかも知れませんが、全体に間が詰まっているように感じました。
各シーン余韻を感じられる間がなく、どんどん走っているようです。
舞台奥からの出は、プロジェクションの効果もあって、かなりのシーンで視覚的に良くなっています。
ただ、教会のシーンなどは以前はセンターで演じられていたのが、下手側に移動していて思い入れのある方には違和感があるかと思います。
床下へのセットが、なくなっています。
テナルディエ夫妻が顔を出したり、バルジャンがマリウスを救うための下水道への入口がなくなっています。
下水道は上手セットに鉄格子の扉があり、そこから逃げて行きます。
テナルディエ夫妻やマリウスやコゼットは、セットの建物の窓から登場したりしています。
バリケードは以前ほどではないものの、出現シーンは似たような感じです。
ただし、以前のように両袖から出てきて合体するようなものではありません。
マリウスの手紙を渡したエポニーヌがバリケード戻ってくると共に銃弾に倒れます。
センター上手寄りでマリウスに抱かれて死を迎えると、学生たちが数人で『ウエストサイド物語』のトニーのように抱え上げて下手袖に捌けていきました。
以前は盆が回転してガブローシュが弾を拾いに出ていましたが、バリケードのセンター上部から外に出ると姿は見えません。
チビ犬の歌だけが聞こえてきて、拾った弾を入れたバッグが放り投げられてきます。
銃声が響いた後、降りていった時と同じ場所に上がり、2発目の銃声で倒れます。
泣くグランテールがガブローシュを抱きかかえて、下手に捌けていきます。
警官隊の銃撃はバリケードの奥からだけでなく、下手のセットの窓からもあり、バルジャンが応戦していました。
盆がなくなったことで気になるのが、アンジョルラスの死。
以前は反転したバリケードの上部で仰向けになり、壮絶な死に方をしていましたが、今回はバリケードがなくなった後、大八車に乗せられ、頭と両腕が荷台から出た状態で運ばれていきます。
さすがに、拍手をする人は少なかったです。
先に書いた下水道ですが、プロジェクションの効果で分岐した下水道の中を、上手く表現していると思います。
ただ、見方によっては東京の地下にある、水害防止の巨大な地下水路にも見えてきそうです。
この中を、マリウスに肩をかして歩いていた状態から、肩に担ぐ、両脇に手を伸ばして引き摺る、両手で抱きかかえると、形を変えながら下水道を進み、舞台中央で倒れ込んでいました。

2幕は、展開が早いです。
ジャベールの自殺のシーンは、意外な仕掛けに驚かされました。
とは言え、新演出は私には概ね悪くないです。

初見の吉原さんのバルジャンは、大柄な体格もあってビジュアル的にはイメージに合っていると思います。
雰囲気的には、今井さんみたいな感じかなと。
『彼を帰して』のファルセットは、ちょっときついのかなと言う感じも。
市長バルジャンが裁判所で正体を明かすシーンでは『俺は、24653グッド(上向き矢印)』と歌いあげていました。
ジャベールの川口さん、ソロは良い声ですね。
コゼットの若井さん、昨日に限ると声量が今一つなのかなという感じが。
司教の古沢さんは、もう少しバルジャンを包み込むような歌声を聴かせてほしかったです。
グランテール丹宗さん、ハスキーな声がイメージに合っていました。
以前の公演もグランテールはガブを可愛がっていますが、今回もそれは変わらず。
以前はテーブルでガブに酒を飲ませていましたが、今回はテーブルがないので上手の壁に凭れるように座り込み、やはりガブに酒を飲ませていました。

なんだかんだ言いながらも、結局司教の『あなたの魂、私が買った』の一節から、バルジャンの死まで、かなりのシーンで泣いていました。

カテコでアンサンブルさんの何人かは出てくるタイミングが揃わなかったり、早く捌けようとしたりしていていました。
プレビュー公演とのことですが、まだ不慣れな部分もありそうな印象でした。
次回は、本公演。
キャストも変わってしまいますが、楽しみです。