30歳男性が家族に付き添われて午後に受診した。症状は1~2週間前からの発熱・咳・痰で、肺炎をきたしていると想定され、実際に胸部X線で右肺に浸潤影を認めた。そして空洞もあった。左肺に気胸もあった。
胸部CTで確認すると右肺に斑状に浸潤影があり、粒状影も散布していた。そのうちの一部は胸膜直下に2cmの空洞を伴っている。左右の肺にブラが数個あり、左肺の気胸はブラの破裂により起こったものだろう。気胸の程度は軽度でドレーンを挿入するほどではない。
数か月前に仕事を辞めた後、放浪していたらし。北関東の駅にいるところを警察に保護されて、当地の家族に連絡が入って迎えに行ったそうだ。栄養状態は悪かった。いかにも肺結核になりそうな状況だった。外来で内科の若い先生が診察して、CTの結果をみたところで、相談さらた。抗酸菌塗抹の結果をみて対応を決めることにした。40分後に出た結果は陰性だった。それで肺結核が否定されたわけではない。個室管理で喀痰検査を再検することにした。
抗菌薬はゾシンを使用して経過をみる。担当した先生はジスロマックも併用することにした。三連休に入ったので、休み明けの火曜日の検査をみないと見当がつかない。