なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

COPDの増悪

2014年11月06日 | Weblog

 87歳男性が内科クリニックから肺炎で紹介された。当院の糖尿病外来に通院していて、血糖コントロールが最近悪化していた。3-4日前から息切を自覚していたが受診していなかった。今日は滲出性中耳炎で通院している耳鼻咽喉科を受診して、息切れを指摘されて、内科クリニック(両クリニックは場所が近い)を受診するよう勧められた。酸素飽和度が室内気で70%台だったので、あわてて搬送となった。

 胸部X線・CTを見ると、両側肺にびまん性に気腫性変化があった。両肺の背側に浸潤影があったが、気腫性変化があるのでツブツブの浸潤影になっている。他の肺野にも淡い陰性が斑状に散布されていて、肺うっ血のようだ。80歳の時に禁煙するまで、長年喫煙していた。ただこれまでは肺炎で入院したことはない。酸素吸入3L/分でも酸素飽和度が80%後半で5Lまで上げた。血液ガスで高炭酸ガス血症はなく、むしろ頻呼吸のため呼吸性アルカローシスだった。ふだん寝たり起きたりの生活なので、下半身の背側に浮腫があった。

 COPDの肺炎による急性増悪で右心不全併発と判断した。点滴から抗菌薬を投与して、利尿剤も少量静注した。この方は搬入された時から良くしゃべる。付いてきた娘さんの話ではヘラヘラとしゃべるので、具合が悪いかどうかの判断がつかないという。

 大学病院から呼吸器科外来に来てもらっている先生から、肺癌の患者さんの相談を受けた。県立がんセンターで肺腺癌の化学療法を受けていたが、もう治療困難になってBSCの方針になっている45歳男性が、当院にも通院していたそうだ。今後またがんセンターの外来に行くが、おそらくもう地元の病院で最期まで診るいう方針になりそうだという。付いては、入院になった時の治療をお願いしたいというものだった。診るのはいっこうにかまわないが、40歳代という若い患者さんの終末期はあまり診ることはない。いつもの70~80歳代の患者さんのようにはいかないだろう。対応に関して、けっこうもめるのではないかと思われた。

コメント
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