なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

安定剤過量・リストカット

2014年11月03日 | Weblog

 昨日日直で高校2年生女子が受診した。クリニックでもらったリーゼ(10mg)を8錠いっぺんに飲んで、ぼんやりしていた。救急車ではなく、母親が連れてきた。他にも誰か付いて来たのかもしれないが、他の患者さんのことで忙しく、直接そばについていた母親しか見かけなかった。

 昨年からリストカットをしていて、左前腕に4か所の傷があった。近くの精神科クリニック(高齢の精神科医、たぶん廃院も視野にある)に連れて行ったが、県立精神科病院に紹介になったそうだ。特に処方はなく、カウンセリング(母親の話)で経過をみることになったそうだ。近くの内科外科クリニックを受診してリーゼ朝夕内服が処方された。そこはもともと外科医なので、そこでリストカットの傷をみてもらったのかもしれない。

 ご本人は、ぼんやりとしているが、会話はできた。母親と言いあうと、死にたいと言ったりした。とりあえず、点滴を開始して血算・生化学検査をした。飲んで間がないので、当然異常なしだった。時間が経っても肝機能腎機能に異常をきたす量でもない。

 母親に、このまま入院して明日まで病院で経過をみてもいいが、家族が必ず付き添ってもらうことになると説明した。経過をみるだけなので、しばらく病院で様子を見て帰宅するのもあると伝えた。母親は今日は連れて帰るという。外来で500mlを2本点滴してからの予定だったが、1本目の終わりで自分で抜いてしまった。もう点滴はいやだという。今日明日は自宅で厳重に監視して、連休明けに以前受診した精神科病院を受診することとした。

 多少は精神科医の本を読んでいるので(春日武彦先生に特化しているので、かたよっているかも)、精神科診療が見当がつく。統合失調症のように効果のある処方があるわけもなく、精神療法的なこと(話をきくだけか)を続けるだけになるのだろう。ある程度大人になるまで、大きくアクティングアウト(自殺も含めて)しないように関わっていくだけらしい。母親によれば、朝に腹痛を訴えたりして遅刻が多いが、今のところ完全な登校拒否ではないという。卒業にたどりつけるのだろうか。

コメント
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