今日は日直で病院に出ている。喘息発作や風邪の患者さんがパラパラと受診するくらいで、救急搬入もなかったが、施設から脳血管障害疑いの89歳男性を受信させたいと連絡が入った。
老年期認知症で施設に入所していて、当院は2回外来を受診していた。いずれも頭部打撲で、頭蓋内出血疑いで頭部CTが行われていた。脳萎縮のみだった。来てみると右片麻痺があり、ふだん良くしゃべる人らしいが(内容は対話にならないそうだ)、発語はなかった。頭部CTでは以前のCTになかった右小脳梗塞があるが、これは今回ではない。左大脳の皮質白質境界が不明瞭に見えた。じっとしていないので、できるだけでいいから(核酸強調のみでいい)と頭部MRIをお願いした。左頸動脈領域(前大脳動脈領域・中大脳動脈領域)に脳梗塞を認めた。
これから脳浮腫が出現するはずだが、脳萎縮があるので、脳浮腫を吸収するかもしれない。今日は抗浮腫剤は入れないで、明日の頭部CT再検を見てから判断することにした。急性期を乗り切って食事摂取できれば最高だが、ただ助かっただけとなりそうだ。40歳代で胃全摘術を受けていて胃瘻造設はできない。